90 集団旅行計画
異世界の街
転位に巻き込まれた者達に用意された家屋の一軒
「気を付けろよ。
元の世界の国と違い軍艦及び軍の兵器、重要施設、軍服の軍人、正装の役人、貴族を緊急事態以外に無断で撮影したり公開した場合処罰の対象に成るからな」
「軍の兵器も人物や街の建物も撮る予定は無いので大丈夫です」
映像記録道具を持つ者は答えた
「公開するなら言葉も注意しないと拙い。
国家への批判は国外追放処分を受ける場合も在る」
「外国人の内政干渉とも受け取れるしな」
「風紀を乱す動画も刑罰が科されるらしいから止めとけ」
「不特定多数へ向けて公開の予定は無いので大丈夫です」
映像記録道具を持つ者は言い居間より自室へと去った
「いや、まぁ魔法の用途が直接的な攻撃のみな訳は無いし情報の重要性を考えたら誕生普及は必然なのかも知れないが異世界に映像に関する法律が在るとはな……」
「撮影道具や見える景色を記録する魔法が在るなら心理を読んだり透明化等の魔法同様悪用を防ぐ対策は講じられて当然だろう」
「透明化か……」
「少なくとも此処の国は法を守らない者達を野放しにはしていない。
魔力に拠り求める特質を得た生物や素材が周囲に在っても安易な利用は控えた方が良い」
「強力な生物が頻繫に近付かない地形に建てられた街の近くには無い可能性が高いけどな」
「未だ強力な生物が居る場所に探しに行ける段階ではないし見付けて持ち込んだら街を追い出される可能性が在るなら諦めるしかないな」
「領主の御膝元で重要拠点たる此処で魔法の指導を受けれてるだけで充分だろ」
「だな」
「領主の御膝元で重要拠点たる此処では資格無き所持及び利用が禁止されている魔法道具の一部だが歓楽街の一部区間では一時的にだが合法的に所持使用可能ならしい」
『!!??』
「常日頃異世界各地を旅行したいと話していたし本格的に計画を立てるか」
「あぁ、他の街の景色や異世界の道中には興味が在る」
「禁断の魔術の使用者って何か格好良いよな」
「副作用とか反動とか無いのか?」
各自が端末を操作し始め旅行計画が立ち上がった