84 同郷避け
見慣れた景色が一変し望んでない同行者共の一部が権力の掌握或いは保身の為に協力等と謳い他者の行動を制限、監視しようと試み始めたので窓の先に霞み見えた街に移動した
魔法に依り言語の問題は早々と解決し街の有力者達の意向も有り支援を受ける
街に来る望んでいない同行者達が日々増加し中には問題を起こす者も紛れて居た
個人に対する支援が切られる事は無いだろうが連中に絡まれる可能性が有り不快な情報が耳に入る場所に留まり続ける気は無かった
同行者が誰一人居ない土地
変わらず魔法の指導を受けられる環境を求め相談し提示された複数の案から選択した一つ
移動した先には希望した状況が在り
日々異世界を穏やかに新鮮に過ごせている
契約に依り他者は使用不可能な端末に他の転位した者達の問題行動への対応処分が表示される事は有るが此処には居ない
帰還の為支援を募る為多くの転位した者達が情報の発信収集を行ってる様だが検索し開く心算は無い
帰還方法の完成に近いのは転位した者達では無く異世界の魔法に長けた国か組織だろう
彼等の発信する情報を見れば良い
報道の報道
専門家でもない連中の情報への感想解釈の付加に価値は無い
尤も帰還方法が確立したとしても戻る気は無いが
其の場で簡単に往来可能に成る魔法道具が創られたとしても此処に戻れない可能性が在る以上使用する事は無い
元の世界の状況は少しは気に成るが往来の魔法が出来たなら情報は提供されるだろう
此処で確認すれば良い
魔力の無い元の世界の確認の為に今の環境を手放したりしない
名士の弟子の一枠への推薦を獲得した転位に巻き込まれた一人は用意された館の自室から出て師匠達が集まる広間へと長い廊下を歩いた