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7 森の立札
言語が通じぬ者
声を荒げる者
二人以上の団体
上記の者達の来訪を拒否する
違反者には相応の対応を取る事を記す
「在った………」
転位した街の一つより南西方向
薄暗い森林の杣道
武装する集団は立札を見付けた
其の先の暗い樹々の先には家の屋根が見える
「目撃者が在るって言ってた場所だからな、在るだろうよ」
「だが、此処は異世界の森だ、転位した山じゃない」
「一軒家が転位したのかも知れないし魔法を修得した同郷の人間が同郷の人間の動向を監視する為に近くに拠点を構えても不思議は無い」
「監視目的なら看板は立てないだろ」
「意図は直接聞けば良い」
「進むか」
「二人以上は駄目だと書かれている」
「じゃあ隊長で」
「代表者としては相応しいな」
「そうだな。
二時間経っても戻って来なかったら待つのは辞めて拠点に戻れ」
隊長は看板の先に続く獣道を歩いた