59 個人都合
周囲の転位者達が集まる
領主の居城の在る街
転移者達が共同で利用する二階建て住宅
「其の土地の統治方法が気に入らないのなら独立を勝ち取るか考えを改めさせるか土地を離れるしかない。
分かってると思うが周囲の魔物に苦戦する実力で軍相手に戦闘で勝利するのは不可能だろう。
異世界の国の考えも、変えられなかったから現状な訳だ。
彼等は他の地に移動するより他は無い。
若しくは自分達の考えを変えるかだ」
居間に集まる一人は雑談で上がった話題の見解を述べた
「結構良い環境ですけどね」
魔法道具を展開し情報収集を行う者は言った
「過信したり盲信している人間には都合が悪いのだろう」
「敵対行為は他所で行って欲しいですね」
「支援を貰えてるからな」
「彼等が問題を起こした場合同じ転位者として与えられていた支援の停止廃止身柄の拘束監禁も制度上有り得ますからね」
「制度上なら極刑も有るぞ」
「国家への敵対ですからねぇ」
「事件に関りが無い事を証明出来ないとな」
「彼等とは距離を置いてますし登録した携帯端末や対応する魔法道具が在るので貶める悪意が裁判或いは逮捕時に紛れてなければ大丈夫でしょう」
「襲撃現場に居合わせたら反撃の対象にされるかもな」
「警護が手薄な場所で不用意に近寄らなければ良い」
「要人と会う機会は無いから問題は起きないな。
街の行事で外に居る所を見付けたら近寄らなければ良いだけだ」
「教会で会ってないか?」
「最近は利用して無いので知らん」
「好奇心で見に来たのであろう転位当初以降も割と頻繫に会うし紹介もされるな」
「間隔は空いているし護衛も常に傍に居る。
教会に所属する者達も居る。
建物にも対策は施されているだろう。
街中で会うのとは違う」
「道で会おうと護衛は連れてるだろうし企みが成功するとは思えないけどな」
「魔法世界の統治者が魔法対策を講じてない筈無いですからね」
「何より支配階級に居る者達の大半は個人として強い」
「頼りない街に人は集まりませんからね」
一人が外食を提案し全員が移動を始める迄雑談は続いた