5 ある街の避難所間の会議
転位した街の一つ
建物内応接室
「やはり統合すべきでしょう」
「えぇ、街の人間が言い争っている場合ではない。
脅威を退ける為に一致団結すべきです」
「街全体の為に必要ですな」
街の各所に在る避難所の代表者達
其の中で固まり座る者達は言った
「結論には同意するが其方に都合の良い過程は通らん」
「現状を理解してるか?
自力で維持が困難な場所の維持に手を貸す訳ないだろうが」
向かい合う者達は言った
「他所の支援が無ければ立ち行かないのなら解散退避自然消滅が妥当だ」
「碌に運営も戦闘も出来てない貴方方を迎え入れる心算は無い」
「だよな。
寧ろ正義感を持つ奴や動ける奴等を煽動した罪で裁かれるべきだろ」
「なっ!!」
「わ、我々は最前線で街の維持、人命救助に勤めたのだぞ」
「維持出来て無いし救ってたのは御前達じゃない」
「仮に其れが成果だとしても今の運営は失敗だと云う話だ」
「まぁ、我々に裁く権利は無い。
権利は無いが其方の人間を迎え入れる事は拒否させて貰おう」
「悪評判の避難所の仲間には見られたくないからな」
「味方の士気が下がる」
「互いに協力すべき非常事態だろう!!」
「解散したら其方の避難所から逃げて来た人達とは協力するさ。
戦力や食糧、情報……財産を一方的に与える事を協力とは呼ばん」
「自力で維持繁栄させる事が出来ぬなら滅ぶのが自然だ」
「我々は同じ国の同じ街の人間だろう!!」
「周囲の街が消え国としては機能して無い状況で各方角で独自に秩序が生まれているんだ、同じ扱いには成らない」
「大人しく被害を受け入れろと言うのか!」
「解散し他の場所に避難すれば良い。
我々の護る場所に来るとしても今の権力を維持はさせないと言っているだけだ」
以降複数の避難所が解散吸収され大きな避難所の影響力が高まる流れが加速した