異世界転位各位一幕

41 会場地域

世界大会開催地の一つ

会場傍温泉街旅館

転位者達が多く在籍する商会が利用する旅館

客間

「流石に暴れる奴は出なかったな」

足を延ばし寛ぐ者は言った

「秘密裏に対処されてる可能性は有る」

「いや、此の大陸に居て開催地に来れる転位者が無駄な騒ぎは起こさないだろう」

「問題の原因は転位者に限らないだろ」

「此処の会場では問題は発生しているようには見えませんでしたね。

他の会場でも大きな事件が起きたなら通達が来るでしょう」

「現状競技進行に影響を及ぼす事件は起きてないって事だな」

「問題が起こる可能性は低いと思いますよ。

世界大会と銘打っていても問題の在る国々には参加資格が与えられてませんし、個人の入国も此の大陸は通常から厳しい様ですから。

何より精霊教が関与しています」

「知ってる異世界の住人達より知らない転位者達の方が原因に成りそうですね」

「精霊教会を知らない転位者が会場の襲撃を企てた処で返り討ちだろうし魔法道具を奪取出来た処で帰還の為には逃亡生活と解析が必要だ」

「無理だな」

「古代の魔法道具の入手や世界を放浪する囚われない存在に師事出来たり精霊や魔物と契約したり他にも色々と、大きな魔法の恩恵を得る可能性は零では無い」

「哀れな力の使い道だな」

「少々特殊な力を得たとしても、教会が後れを取るとは思えません。

過去一度たりとも世界大会が襲撃に因り中断した事は無いそうですから」

「今の所も会場は無事ですし、教会にも大きい魔法の恩恵を受けている方達が所属していますからね」

一行は予約指定時間迄寛ぎ豪勢な夕食を堪能した