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38  暗躍嫌疑


帝国 帝都

転位した者達の集う邸宅


「……彼等が語った異世界静謐会等と云う名称の組織が実在し加盟している者達が居たとして。

活動内容が余程悪質でない限り我々が咎め処罰を下す理由は無い」

卓上に拳を組み置く者が言った

「余程悪質な事を起こしたなら異世界の衛兵が動くから俺達が処罰を下す機会は訪れないぞ」

「活動内容は周囲の転位者の主張に流されず異世界を平穏無事に満喫する事だって言ったろ?

非合法な活動は一切してない。

彼等の組織の様な悪質な勧誘とかな」

「彼等の方が処罰を受けるべきではある」

「訊いた活動内容が真実だとは限らないのではないか?」

「個人が暴走してる可能性は有るが、組織の活動は至って健全だ。

今の所内容の変更は聞いてないからな。

彼等が批判して来た組織の一員として断言してやる」

「なら問題ないな」

「個人の単独行動か組織を騙る工作活動でしょうか」

「妨害されたと言っていたが……」

「勧誘相手が向こうの活動を拒否し俺達を支持しただけだろう。

妨害何てしてないしする必要も無い」

「と、言いつつ裏ではぁ?」

「してねぇ。

考えても見ろ。

地球への帰還を目的とはしてても碌に魔法を知らない同郷の人間が物資等の活動援助を要求してくる組織。

片や要求は無く逆に色々な提供が有る組織。

組織の実態を知ってる人間なら余程帰還を望んでないと向こうに参加なんてしないだろ」

「まぁな」

「提供なんて受けてるのか?」

「情報を貰ってるし茶会、交流会で消費する食事は間違いなく提供だろ?

各地の支部でも食事会やら情報交換会やら色々と開かれてる。

参加費は無いし提供だ」

「……参加したいんだが?」

「楽しそうだな」

「報告されてないんだが?」

「重要そうな情報は伝えてたし帝国で美味しいと噂の飲食店や屋台の話やらの情報も提供したし食べに行った筈だ」

「組織からの情報だったのか」

「参加したいんだが?」

「俺もだ」

「参加したくない奴を探す方が難しくないか?」

「まぁ、訊くだけ訊いてみてくれ」


後日ある組織の支部会員が増えた







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