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31  遭遇者対応


転位した街の一つ

有志達の利用する建物 会議室


「距離的に困難。

他人に分け与えられる程余裕は無い。

信用の無い人間に近付きたくない。

返信が有った中の大多数は拒否でした」

異世界の街より帰還した一人が出席する者達に支援を呼び掛けた結果を告げた

「大多数は?

では支援者が見付かったのか!?」

「いえ、他は此方の動向を探る質問でした」

「では……」

「連絡の取れる者達からの支援は得られませんでした」

「そうか……」

「出遅れた事も在りますが、精霊教が影響を及ぼす地域や国では調査、支援が実施されているらしいので個人的な支援には動かないのかも知れません。

此処も精霊教の根付く地域なので不要と判断された可能性は高いです」

「我々は支援を受けてないぞ?」

「いえ、街が一度も強力な魔法を使える生物達の攻撃を受けていないのは支援を受けているからです」

「其れは本当に我々に対する支援なのか?」

「対話の席位設けるべきでは?」

「初期は言語が通じなかったはずです」

「今は解るのだろう?」

「えぇ、解った結果、近くの異世界の街に足を踏み入れた人々の証言から現状の支援の形を維持しているのでしょう。

向こうにしたら態々不穏な相手と対話の席なんて設ける必要は有りません」

「あぁ、街を離れた人間から話を聞いてるなら街での事件も調べてるか」

「魔法が無いとはいえ不用意に近付こうとはしないでしょうね。

いえ魔法が無いからこそ攻撃を受けない限りは放置でも良いと判断したのかも知れません。

転位門、転位陣、転位魔法が街に置かれない限り人口は緩やかに減りますから」


報告会は続いた

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