24 ある商会動向
転位した街の一つ
自警団の利用する高層建築物の一棟
二階一室
複数人が席に着き話す
「前回の商談の際に頼まれた件ですが、条件付きで承諾を頂けました」
「本当ですか!?」
「はい、其の条件は此方に記載される通りです」
商人は日本語の書かれた紙を提示した
「……人数の変更は叶いませんか?」
「減少なら認めると云われております。
我々の拠点近くで暴れられた場合大きな損害が生まれますし。
抑々商会の方針として転位者の輸送はしないと定めてますからね。
今回は特例措置であり次回以降も継続するとは思わないで頂きたいとの事」
「まぁ、国の頼みでも有るし敵対したり本業に支障が無ければ次回の輸送も認められると思うぞ」
別の商人が言った
「是非とも継続して認めて頂きたい。
皆さんの飛行船に乗って移動出来るなら其方の方が近くの街に徒歩や自動車で移動するよりも安全でしょうし、近くの集落は友好的かは不明。
方や皆さんが店を構え強力な魔法を教えて下さる存在が居て手解きを受けられると判ってる場所。
選択肢は一択です」
「飛行船は対魔法障壁や認識阻害と云った各種兵装が充実してますからね。
対策が無ければ襲撃を受けるので至極当然の事では有りますが」
「出立の準備をしてきます」
「準備なんているか?」
「え?」
「挨拶は必要か。
武器も装備も食料も置いてけ。
中で暴れられても困るし手持ちの物より品質の上の物が提供される」
夕暮れ時
商会の飛行型商船は街を離れ飛翔した




