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18 不自然の拾得
転位した街の一つ
家屋に籠る巻き込まれた一人
青年は今日も水を汲みに早朝から外に出る
幸い近所に現れた川
人の居ない時間帯
周辺に脅威と成りそうな生物が居ない事を確認し台車に乗る四つの容器の一個目に水を溜め始める
満杯に成り容器を閉め二個目の容器を河に浸けていると光が目に入った
正面の中腹より手前
少人数では動かす事は困難であろう大きめの岩が鎮座する辺りの陰に見える光
場所を移動し目を凝らし発光源が不自然な円柱型の物からと判る
興味を惹かれ青年は然程深くは無いが用心の為三個目の空の容器の蓋を閉め浮き輪代わりとし河を進んだ
目的の岩場に辿り着き手を不自然な物へと伸ばす
然し埋まる箇所が多いからか見える箇所は均一に整う白い筒状の其れを引き上げる事は叶わなかった
青年は諦めて戻りはせず下に在る小さな岩々を避かすと僅かに動いた
左右に振り動かせる岩を避かす
ある程度繰り返すと一気に引き上げる事が出来た
土砂で濁る水から蓮の花に似る花を模した先端が現れる
青年は両腕を広げた程の長さの在る其れを片手に握り河を戻り残りの容器にも水を加え家へと戻った




