106 各地移動動向一幕
転位した街より移送された者達が過ごす異世界の都市郊外
巻き込まれた者達が過ごす急造住居区画の一軒居間
「我々の居る此処より豊かな土地に転位した転位災害遭遇者有力地移動推奨派の代表者が各国と話しているそうだが決定に変更は無いそうだ」
「制度上問題無い手順。
従来の移動手段の利用を求めただけだからな。
優遇措置が無いだけで我々に特別な移動制限が課された訳では無いから問題とは看做されてないのだろう」
「異世界の人間に簡単に力を渡す方が問題が起こりそうだしな。
実際問題を起こした人間が各地に居るし寧ろ制限が足されてないだけ感謝すべきなのかもな」
「何だ、帰還反対派が妨害工作を行う必要も無いのか」
「一部の反対派は異世界の魔法を使える組織相手に直接的な妨害は不可能だと諦めて居た世界の悪評を広めたり警告してるらしい。
未だ無い戻る手段が確認されたら本格的な対立も発生するかも知れないが、まぁ異世界の力を持つ国や組織は真面だからな。
星の魔力が消える、多くの生命が絶たれる等大きな損害が引き起こされるなら術式が完成しても推奨派の要求は通らないだろう。
問題無く転位術式が発動したとしても反対派の一部の危惧する連座制での強制帰還も恐らくは実施される事は無い」
「反対派に言われる迄も無く異世界の警戒はするだろうし何方かが強行手段に及んでも直ぐに対処される事だろう。
双方共に無駄な行動は慎み転位は異世界に任せれば良い。
所詮他人だし好きに過ごせば良いが此方に被害を被る行動は控えて欲しいものだ」
昼食を終えると全員が異世界の街へ繰り出した