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「そう言えばさっきも守護って言ってましたけど、どういう意味ですか?」
美琴の問いに、さて何処まで踏み入るべきか…と考えたが面倒になり、どうせ何時か話す事だし…と全てを明かす事にした。
「この地支は十二の神獣が守護する地なんだ。先ずは神獣の成り立ちから話していく。真面目に話すと物凄く長くなるからコレもざっくりとした説明でも良いか?」
美琴が頷いたのを確認して話し出す。
「遥か太古の昔にこの地に降り立った神様が、動物達を自分の神域に招待したんだ。で、一匹のいたずら好きのねずみが道に落ちていた招待状を拾って開催日を一日遅れの日付に加工した。それを招待状を無くして探していた猫に渡した」
……まあ別に道中の話は省いて良いか。オレ、アイツあんま好きじゃないし。
「その後道中で色々あったが割愛して、知りたかったら本棚に牛若が書いた本があるから寝物語として読むと良い。やるから。…っと脱線したな。神様は神域に辿り着いた順に神獣へと昇華させ、永遠の命を与えたもうた」
「なんか、十二支のお話みたい」
オレの話を聞いていた美琴がポツリと呟いた。
「じゅうにし?」
「えっと、12年で一周ずる動物の神様みたいなもの…って感じだったかな?それで性格診断をしたり占いをしたりします」
美琴の拙いながらも一所懸命に説明する姿に、邪魔するのも悪い気がして「で?その十二支の話ってのは?」と続きを促した。
「ふぇ!?え、と…確か、さっきのお話と殆ど同じで、神様が宴会を開くから着いた順に1年間動物の王様にするよってお触れを出して、牛が門に入る直前に上に乗ってた鼠が飛び降りて一番になったって話です。で、騙されたと気付いた猫が鼠を追い回したり、犬と猿がケンカして鳥が仲裁するために間に入ったりって話もありました」
美琴が説明しきったと満足げに頷いた後に小さく咳をしたのを見て、そういえば、と思い出す。
(そういえば、まだ飲み物出してなかった。それであんだけ話せば咳も出るわ)
「悪い。何ももてなし出来てなかったな。水しかないが平気か?」
立ち上がりながら問いかけると、美琴は慌てたように首を振り「大丈夫です!お構いなく」と返してきた。
構わないなら良いだろうと思い、落ち着かせるように彼女の頭を数度撫ぜた。
「よし、持ってくるからいい子で待ってろ」
そう言い置き部屋から出て台所へ向かう。
それにしても、“ネコ”か…
美琴の話を聞くに、あの話は大団円という形で終わっているのだろう。
こちらの続きを聞いた時、美琴はどう思うんだろうな
続きます。




