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十二支愛歌  作者: 那津稀
第一章 蓄亥
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辿り着いたのは教会。

「え!?ぁ、そんな…まだ早いと思うなぁ」

女はそう言いながらこっちに体重をかけてくる。

………いや何言ってんだコイツ

後こっちは怪我してるんだから体重かけるな。重い。

落ち着け。さっさとコイツを預けてしまおう。

「シスターはいるか」

扉に向けて声をかけると中から女性が一人出てきて此方を見て穏やかな笑みを浮かべて近付いてきた。

「あら、守護者様。ご苦労様です。今日はどの様な要件でしょうか?」

「行き成りの訪問、申し訳ない。今日はこのおん…彼女の保護を願いたく来た」

「……まあ、その様に畏まらないでください。私達(わたくしたち)の仲ではありませんか」

誤解を生むような発言は辞めて貰いたい。本当に。何度も言ってるけど辞めてくれないから、もう諦めてるけど。

シスターは絶対オレの反応見て愉しんでる。あの笑みの下で絶対大笑いしてる。知ってる。

「ちょっとアンタ!あたしの進に気安く話しかけないでよ!!!」

「……保護とのことですが、何故わざわざ此方に?」

シスターはギャーギャー喚いてる女を一瞥してオレに訊ねる。あ、シスターも無視する方向にしたのか。

「オレの家はもう一人保護してるから無理だ。他の所だと、まあ、こんなだからな。迷惑になると思った」

オレがそこまで言うとシスターは態とらしく驚いた表情を作り、まあっ!と声を上げた。

「まあっ!私には迷惑をかけても構わないと仰いますの?」

「そうは言ってない。…悪いが茶番に付き合う気力はそんなに無いからさっさと連れて行ってくれ」

オレの憔悴具合に珍しく驚いたシスターは女を引き剥がしてくれた。

「救急箱は何時もの所にありますが、手は必要ですか?」

シスターの気遣いに平気だと口にしようとしたところで雑音が響いた。

「進ぅ、あたしが治療してあげる!だってあたしは」

「いらん!貴様の手を借りるくらいなら其処らの犬の手を借りるわ!」

雑音に堪えられず強めの言葉で拒絶する。ああ…キモチワルイ

シスターが強めに女を連れて行ってくれて、漸く静かになった。動こうとしたが、力が抜けその場に座り込む。

……血を流しすぎたか。やっぱりシスターの手を借りてれば良かったか

入り口から大小二つの人影が駆け寄ってきた。

「イノシシ様!センセイ、お手伝いする、言われ、マシタ。だいじょぶ、デスか?」

小さい方の人影問い掛けに頷きで返して立ち上がろうと力を入れるが体が言うことをきかない。

「失礼します」

声がけと共に左腕を持ち上げられて体を支えられる。

その後も声を掛けられながら部屋までの道を歩いて行った。


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