表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
十二支愛歌  作者: 那津稀
第一章 蓄亥
16/19

15


放っといたらおばちゃんのオススメ全品買いかねない勢いの美琴を落ち着かせて、一旦店を離れる。

「ご、ごめんなさい。話してるとつい買っちゃいそうになって…止めてくれなかったら買い過ぎちゃうかもしれなかったです」

美琴が俯きながら小さく零す。

「買いすぎるのは困るな。普段なら冷蔵庫に入らなかったら雪に埋めるが、今は融雪期だからな……倉まで行けば何とかなるか」

「蔵?そんなものもあるんですか?」

「恐らく違う。雪倉(ゆきくら)。倉の中に雪を入れて融雪期を凌ぐためのもので、一定の温度に保たれてるんだ」

倉の説明をしながら美琴のコロッケを指差して食べるように促す。

「と言っても、オレの家の倉はそんなに大きくないけどな」

美琴が、へぇ、と頷いたのを見て足を止める。

「どうしたんですか?」

数歩進んだ先で振り返った彼女に八百屋の方を指し示す。

「彼処が八百屋。大抵の野菜や果実類は揃ってるはずだ。行こう」

少し強引かもしれないが、美琴の安全第一だ。

「美琴、オレは用事を思い出したから少し離れる。悪いな。直ぐ戻るから買うものを選んどいてくれ」

店に入って美琴の頭を撫でながら言う。そのまま奥から出てきた大将に目を向け「少し屋根を借りる」とだけ伝え外に出る。

そのまま脇に入り何度か壁を蹴り登り一番上まで辿り着いた。

目を瞑り一帯の気の流れを読む。

(…………、間違い無い。“オニ”の気配だ)

しかも昨日と同じく3体と来た。最短距離で駆けながらも二日連続何て今まで無かったことだという思考が過る。抑も、思念体が“オニ”となる“核”の部分は未だ不明だ。自然現象だとしてもこうも頻繁に“オニ”と成られたら守護者の名折れだ。何とかして原因を調べることは出来ないものか…

そんな事をツラツラ考えて目的地までもう少しと言うところで「何なのよ!!」と声が響いた。

(は?人が居たのか。マズいな…守りながらの戦闘は得意じゃないが仕方ないか)

目視出来る位置まで近付くと、思念体が漏れている鳥の“オニ”が一人の少女を囲んでいた。

(“ハンキ”か。鳥と3体と言う所は厳しいが何とか出来そうだ)

幸い“ハンキ”は少女に意識がいっておりオレより低い位置にいる。

槍を取り出しその場から飛び降り、勢いそのままに“ハンキ”の脳天に突き刺す。槍を気で覆い壊れないように補強した後、落ちる勢いに任せて地面に叩きつけた。

形を保てず崩れる“ハンキ”を一瞥し、槍を構えたまま少女に下がるように告げる…前に後ろから悲鳴が上がった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ