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十二支愛歌  作者: 那津稀
序章
14/19

出会い※美琴

1~2の美琴視点でです。

読まなくても話は繋がるので、飛ばしても大丈夫です。

ちょっと長くなってしまった…


神様ってホントに居るんだ。

これが私が彼に会って感じたことだった。



「ハァ~~~これからどうしよう…」

借りてたアパートから追い出されて、トボトボと夜道を歩く。

『悪いけど、出てってくれないかい?アンタが来てから空き巣に入られるわ、ボヤ騒ぎを起こされるわで家の評判ガタ落ちなのよ』

『アンタ、気色悪い目をしてんじゃないわよ!アタシの息子を誘惑しやがって!』

『アンタを引き取ってから彼氏に逃げられるわ、お金取られるわで最悪よ!早く出てけ!』

『『『この疫病神が』』』

大家さんも隣の部屋だった小林さんもおばさんも皆私を疫病神だと言う。私は何処で間違えたんだろう…

はぁ、とまた一つため息を吐いたとき、横から風を感じて立ち止まる。右手側に横道があり、先の方は暗くてよく見えない。

(そう言えば、この道の先に使われてない廃ビルがあったはず)

もう、どうしたいのか、生きている意味も分からなくなって何かに導かれるように横道に入っていった。

暫く歩いてもビルは見えてこず、それどころか見覚えのない景色が目の前にあった。

「あれ?この道、こんな場所だったっけ?道間違えた?」

一旦戻って確認しようと振り向くと、後ろは真っ黒な壁だった。

「?私コッチから来たよね?何で壁が…ッキャアアアア」

不思議に思いながら目線を上へと向けていくと上の方にギラギラと輝く光があった。ソレが目だと認識した瞬間、喉から悲鳴が上がった。

咄嗟に持っていたバッくで真っ黒な壁基大っきな黒い生き物を殴りつけてそのままバックをぶん投げて逃げ出す。少しでも足止めになれば良いとは思ったけど余り意味がなくて、直ぐに追いつかれる。

「来ないで!!!」

手近にあった物を投げて牽制するけどまるで効いて無くて、どうしようってばかり頭を巡った。

ふと、あんまり異様にギラついてる金色と目が合った。

(もしかしたら、目に向けて投げたら効くかも)

掌大の石を握り締める。

(イチかバチか)

大きな腕が振り上げられる。

(イヤッ、死にたくないっ嫌、いや、)

「イヤッ!」

今までより上の方に投げた石は見事に真っ黒な生き物の目に当たったけど、そのせいで余計に怒らせてしまった。

振り下ろされる腕に足が竦んで動けなくて、無意味だとしても頭を腕で守っていて目を瞑った。

でもいつまで経っても痛みは来なくて薄らと目を開けると、男の子が槍で腕を受け止めていた。

「もう少し後ろに下がっててください」

男の子の言うとおりに巻き込まれないくらい後ろに下がる。一匹だけだと思ったら三匹居て、全部が男の子の方に向かっていった。

その後は現実とは思えなかった。だってあんな大っきくて真っ黒な牛なんて見たこと無いし、ましてや襲われるなんて…

「うぐぁっ」

誰かの呻き声、多分さっきの男の子、が聞こえて俯いていた顔を上げると、丁度彼がバケモノの一体を倒したところだった。

やった、って声が出る前に男の子が慌てた顔で「避けろ!!」って叫ぶ。ふと暗くなって顔を上げるとバケモノが大きくウデ?前脚?を振り上げていて、急いで後ろに逃げて目の前にあった木箱の山の後ろに隠れた。

もうバレてるだろうけど、障害物があれば少しは時間を稼げるかもしれない。

でも、また大きく振りかぶられた影に(あ、意味ないかも

)と思ったけどタダでやられるのも嫌だからバケモノに向けて木箱を崩した。だけど、効果は無いようでそのまま振り下ろされた。

その瞬間、周りの動きがゆっくりに見えて、あぁ…死にそうな時ゆっくり見えるって何かで見たな、とか詰まらないことを思ったりして。そんな中で視界の端で何か動いた気がして目を向けると、男の子が泣きそうな顔で手を伸ばしながら走ってきていた。

(あぁ、こんな私を助けようとしてくれるなんて…優しい、神さま、みたいだな)

そんな事を思っていると、男の子の指が当たって押し出された。

ズドン、とかグチャッとかよく分からない音がして、座った―正確には腰が抜けた―まま呆然と眺めていると、土煙が落ち着いて見えてきたのは、広がっていくアカ。そしてその中心のバケモノの腕にお腹を貫かれている男の子だった。

「ぁ…ぁ、」

音が遠のいて、何で、どうしてばかりが頭を占める。

ただ一つ、確実なのは、私が彼を殺した、と言う事。


「イヤァアアアァァアアッ!!!」


その事実に気付いた時、私は目を瞑って耳を塞いで全てを拒絶した。

そのまま目の前が真っ白になっていって意識が途切れた。

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