6.いまはまだ
依頼主に報告を済ませ、お礼を言われた後、ソーマの転移魔法でギルドに帰る。
魔核を買い取りカウンターに持って行き、査定もすぐ済み、報酬をソーマと等分した。
先に帰ってきていたらしいサラとレオンハルトが食堂の一席に座り、こちらに気がつくと手を振った。
ソーマと共に四人掛けの空いている席に座る。
最初に口を開いたのは、やはりソーマだった。
「サラ姉ちゃん、レオン兄ちゃん! ただいま! 無事任務は終わったよ! ミレンナさんの補助魔法のおかげでサクサク終わってね、ねぇ、凄いんだよ。体が軽くて動きも速くなって! これを味わったらもうミレンナさん以外とは組めないね、なので今後もパーティを組んでください、お願いします!」
「私は構わないけれど、そんな簡単に決めて後悔しない?」
「しません! 直感を大切にしないと後々大変なことになりますから! 僕はこの直感に従います! 後悔したとしても、ミレンナさんが悪いことはないですし、そんな気負わなくて大丈夫ですよ。選ぶのも、決めるのも僕で責任を負うのも僕です」
「ミレンナ、嫌じゃないならソーマとパーティを組んでくれないかしら。身内贔屓かも知れないけれど良い子よ。多少うるさいけど」
「ミレンナさん、大丈夫だよ」
サラとレオンハルトからの口添えに、ミレンナはぎこちなく頷いた。
ソーマはわかりやすく目を輝かせている。
不安は勿論ある。
ソーマは一人でも魔物を倒せる力量を持ち合わせているが、ミレンナは一人ではろくに魔物を倒せない。
補助魔法は使えるが、居てもいなくても正直変わらないだろう。
「ミレンナ、補助ってね、貴方が思っているよりもかなり助かるものなの。早くランクを上げてね。待ってるから」
「サラ姉ちゃん! 僕頑張るよ! さっさとそこまで行くからね」
どうにか頷いたものの、何故サラが待ってくれるのか、ミレンナには解らなかった。
数年後、Aランクまで上り詰めたソーマとミレンナパーティは、Sランクに昇格したサラとレオンハルトのパーティに勧誘され四人パーティを組むことになるが、この時ミレンナは想像もしていなかった。
愛のバーサーカー兄妹と揶揄される様になるサラとソーマの手綱を上手くとり、振り回されっぱなしだったレオンハルトを助け、ミレンナには猛獣使いと渾名が付けられることになる。
ストックはここまでです。




