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鏡に写したい姿は偽装  作者: 橘菊架
サラとレオンハルト
13/33

13.混戦

スレアチト学園の裏には、魔獣が出る森が広がっている。

化粧の国には冒険者が少ないこともあり、強い魔獣達があまり間引きされない状況にあるので、中々に手強い。

化粧の国で冒険者をしていた、と言う事実だけでも箔がつく。


学園を卒業したらAランクに昇格する私とレオンハルトは、その事実を見れば凄腕と言っても過言ではない。

とは言え、先輩冒険者達の力添えあってのこと。驕り、怠けず精進していきたいと思っている。


転移自体初めてである事が多い生徒達は、突然変わった風景に阿鼻叫喚である。

そんなに騒ぐと、声に釣られて魔獣達が寄ってくるのだが。


「レオン!」

「八時の方向は任せろ!」


早速お出ましである。

レオンと反対側に弓を引く。私達が動き出した事でさらに混乱は増しているが、下手に動かれると、こちらとしても厄介だ。

軌道は読むとしても、ちょろちょろ動かれると味方撃ちの可能性も増してくる。


「戦えないなら動かないで! 魔獣じゃなくて私に射られて怪我なんて目も当てられないでしょ!」


叫びながらも弓を引くのはやめない。

騒ぎに釣られて魔獣達がわらわら集ってきている。

教師達も、冒険者達も姿を隠してしまった。

危険がない程度に魔獣を討伐しに回っているのだろう。


レオンハルトは魔獣に肉薄しに行っているので様子はあまり窺えない。

私も動き回りつつ、弓を番えている上に、未だおろおろと右往左往する生徒達の隙間を縫う様に矢を放っているので中々に神経を使う。


動くなと言って、大人しくしてくれたら御の字。

矢の軌道に生徒が入ってしまう。


「ーーったく!(ウィンド)!」


矢尻に向けて風魔法を放ち、無理やり軌道を変える。

追加で二度魔法を放ち、魔獣に当たる様に調節も忘れない。


「サ、サラ! 何かする事はあるかしら」

「落ち着いて魔法は使える? 援護を頼むわ」


震えながらも、駆け寄ってきたミレンナに、ウィンクを飛ばし、微笑む。

手を握りしめて、頷いたミレンナの瞳は力強い。これなら。


マジックバッグに手を突っ込み、弓を仕舞って近接武器に持ち変える。

手早く防具をいくつか外して、マジックバッグに放り込んで身軽になると、ヒールの踵を鳴らして、私は空を駆けた。

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