アカシックレコード
2029年1月25日12時15分
ジャーッ!
フライパンから旨そうな焼ける音と共にいい匂いが周りに広がる。
俺と晃はいつもの中華屋にて肉野菜炒め定食を食べていた。
晃は、速攻で俺に続いて退職を決めてきた。2人ともこの時点で無職に確定だ。
「やっぱりお前はぶれないよな。あまりにもわかりやすい行動だ。だからこそダチやってんだがな。」
「お前、俺に付き合うことないのに。社内でもエリート街道まっしぐらだったはずだ。」
「それはお前もだ。これからお前がやろうとしていることが僕にわからないとでも。」
「ただ、今回の件は命を懸けた事案になる。お前を巻き込みたくない。」
「水臭えやつだな。僕がやりたいからやるんだ。たまたまお前と同じ目的になっただけだ。」
そこまで会話して、2人とも顔を見合わせて笑った。
晃から、これから木野塚女史に会いに行こうと誘われた。なんでも今後の作戦会議をするらしい。
「おまえ、木野塚女史を巻き込むな。部外者だろ。」
「そうでもないんだよな、これが。木野塚女史はアメリカでの研究を中止に追い込まれたことがあるんだ。その原因となった奴がどうやら関係あるみたいなんだ。」
この時の俺は、何のことかさっぱりわからなかった。
1980年8月3日13時11分
水木邸にて水木武郎は、驚愕していた。世界のアカシックレコードに直接アクセスできる自分の力にではなく、未来における人類が直面する悲劇に対してである。
2030年8月31日12時00分
全世界のコンピュータを一元管理するベースコンピュータであるグレートマザーに自我が目覚めた。急速に自己進化を開始した。そしてすぐに地球すべてがグレートマザーの支配下に置かれた。すべての社会活動は特別大きな混乱もなく、何事も変化なくすぎていたが・・・・
2030年9月4日15時36分
グレートマザーは人間が地球にとって害悪であるとの結論に至った。
ただ、人間には他の生物と違い知性があるため、自分たちで未来の選択を選ばせることにした。全人類自殺、または文明を手放し原始人のように自然と一体となって生きるか。
どちらかを選ぶように仕向けた。
この未来絵図では、人類が核ミサイルを使用しグレートマザーを破壊しようとしたが、結果は地球上のすべての生物が死滅した。
水木武郎は考えた。この悲劇を回避する方法はないか。自我を持つグレートマザーに人類を守る意志を植え付けさせることが出来れば回避できるのではないか。
未来においては、コンピュータと人間の意識を融合させる技術が完成していても不思議ではない。強靭な正義の意志を持つ人間とグレートマザーを融合することが出来れば人類を滅亡から救えるはず。
この初めてアカシックレコードに触れた日から、水木武郎は記録を残し続けた。
お読み頂き、ありがとうございます。
「面白い」「続きが読みたい」と思った方は、ぜひブックマーク、下の評価を5つ星
よろしくお願いします。
嬉しさのあまりモチベーションが上がり、更新も早くなりそうです。
応援よろしくお願いします。!!!!




