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夢の記憶1

夢の記憶

 「はじめまして。木野塚玲子です。晃君から話は伺っております。先にどのような診察を行うのかご説明差し上げます。そのうえで、実際に診察を受けるかどうか判断してください。」

 「はじめまして、柏木健斗です。わかりました。よろしくお願いします。」

 晃は邪魔にならないように近くのソファにおとなしく座っている。


 「私の診察は催眠療法です。意識が覚醒していない状態において何が原因でどのような夢をみて体に影響を与えているのかを調べます。当然、無意識に干渉することになりますので、どのような弊害または副作用が起こるのかはわかりません。このことに同意していただくことが私の治療を受ける前提条件です。」

 「わかりました。他にどうすることもできなくてこちらに伺いました。先生にお任せします。」

 木野塚女史が同意書を提示してきたので、俺は文面を確認の上、サインした。


 「それでは、先ほどの説明を詳しく解説します。柏木様には催眠状態に入ってもらいます。催眠術は私が掛けます。それから毎晩みているだろう夢を見ていただきます。ポイントはこれから見る夢は起きたときに忘れることなく意識にはっきり残ることです。

 これは夢の映像を深層意識に焼き付けることにより覚醒後も記憶に残す画期的な方法です。この技術はNASAが宇宙開発に取り組むさなか人間の能力について、いまだ開発されていない脳の90%以上の部分を活性化させる方法を研究していた時に発見した技術です。  

 私はこの研究に2年間立ち合いました。ある事件により研究所を辞めることになりましたが。危険なことはありませんが対外的に知られてよいものでもありません。

 通常の診察ではここまでは行いませんが、柏木様の症状改善のためには必要な処置であると判断します。この診療を受けるかどうかもう一度考えて決断してください。」


 「わかりました。晃から紹介された時点でお任せしようと考えていました。何も迷うこともありません。どのみちほかに方法も思いつきませんのでよろしくお願いします。」


 キュッ! キュッ!! キュッ! キュッ!!

 診察台に横たわり治療を受けることになったが、木野塚女史は俺を診察台に両手両足をゴムバンドで拘束し始めた。

 「いきなり何をし始めたのですか。」俺は不信感をあらわに問いかける。

 「あなたが夢の記憶をもったまま覚醒したときに暴れないとは限りません。そのために必要な処置です。」

 「納得はできませんが、しょうがないのですよね。」

 「ええ、嫌でしょうが我慢してください。お互いのためです。」

 「わかりました。」


 拘束を終えると木野塚女史は、マスクを装着し、診察室の光源を絞り、俺の頭側に立つ。

 ただしマスクは毒ガスを防ぐような頑丈なものだ。すごく嫌な予感がする。

 木野塚玲子が火のついた蝋燭を目の前で揺らし始めた。どうやら診察室にアロマもまかれたらしい。何かの薬と視覚からの刺激により意識をトリップさせるようだ。

 本当にこのようなことで治療ができるのだろうか、俺はまどろむ意識の中で思うのだった。


 お読み頂き、ありがとうございます。

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よろしくお願いします。

 嬉しさのあまりモチベーションが上がり、更新も早くなりそうです。

 応援よろしくお願いします。!!!!


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