電車脱線事故
電車脱線事故
2028年11月30日21時35分
柏木健斗は会社から自宅へ帰るため新宿発の早景線に乗っていた。乗っていた急行電車が通過駅の梅中駅を過ぎたとき、対向電車の先頭車両が速度超過のまま衝突してきた。
ギャリリリッ! ガー!! ドゴン!! キー!!!!
健斗が乗っていた電車は、対向電車が衝突した中間の車両から脱線し後方車両が横転した。健斗は後方車両に乗っていたため、車両が横転すると同時に真っ暗になる中、乗客が横殴りに飛んできた。つり革を持つ手に全体重をかけ、ぶら下がりながら足は宙に浮いていた。
ドガガガガッ! ググググッ!!
ギュルルル! キュウー!! ギギギギ!!!!
キャー! ウワー!! オカアッー!! ギャアー!!!!
地響き、金属がきしむ音、悲鳴、あらゆるものがぐちゃぐちゃになり阿鼻叫喚となった。
健斗も飛んできた複数の乗客に巻き込まれるうちにつり革から手が離れ気絶、のち圧死した。
2028年11月30日20時40分
「健斗。今日これから飲みに行こうぜ。今度の新プロジェクト内容の概略教えるからさ。」
「おう。俺も新しいプロジェクトには興味あるからOKだ。新橋のあの店にしようか。」
この時間からだといつもの2時間コースだから、帰りは23時過ぎの電車だな。俺はそんなことを考えながらデスクを片付け鞄を持って晃と退社した。
2028年12月1日12時25分
ジャーッ!
フライパンから旨そうな焼ける音と共にいい匂いが周りに広がる。
いつもの中華屋で2人はラーメン餃子を食べていた。テレビでは昼のニュースが流れていた。
早景線は上下線とも新宿と下海駅の間が断線状態であった。そう、柏木健斗は今日の朝の通勤ルートは別の方法で来ていたのだ。
電車の脱線事故の警察の見解が発表されていた。調査の結果、新宿に向かっていた早景線の車両が中西駅を過ぎたときにレールの切替ポイントが強制的に切り替わり、先頭車両から脱線し隣の梅中駅を通過していた対向車両に追突したことが判明した。通常のコンピュータ制御では起こりえないため、あらかじめレールの切替ポイント部分に強制的な圧力をかけるための何らかの仕掛けがされていたのではないかと現在も現場検証中であった。
後日、レールの切替ポイントにはミニ爆弾が使用されていたことが判明した。テロかどうかはわからない。犯行声明も何も出ていない。当然、犯人もわからない。
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