飛行機爆破事件
飛行機爆破事件
2028年10月27日 9:30
今日は、午後から福岡支店で行われるプロジェクトに参加するため、晃と一緒に出張だ。
本社からは、営業部の代表として俺と晃の2名が参加することになった。
現在は羽田空港を離陸したQBC363便の中、準備したプレゼン資料の最終確認を晃と行っていた。
さっきまで快晴だったはずが、現在は真っ黒の雲の中を飛行中だ。窓ガラスに水滴が叩きつけられ稲妻が走る。揺れも激しくなり、シートベルト着用の案内が先ほど出された。
「ここでいったん中止にしよう。こう揺れていたのでは気持ち悪くなりそうだ。」
「そうだな。ほとんど完璧に仕上げてあるから後は気持ちの持ちようだな。」
ボゴッ!
突如、飛行機の尾翼部分が吹き飛び機内に穴が開いた。頭上から黄色のマスクが降ってくるのが見えたが、急激は酸欠と温度低下により俺は意識が飛んだ。
2028年10月26日18時5分
明日の福岡支店の会議に参加するため、晃と新幹線で福岡に行くことにした。
「健斗。わりい、俺に付き合わせて。どうしても鉄の塊が宙に浮かぶのが信じられなくて無理やり新幹線にしたのは感謝しかない。その代わり旨い駅弁おごるから。」
もともとは明日の朝に飛行機で福岡に向かう予定であったが、晃がどうしても飛行機に乗りたくないとの理由で、今日の夕方からの新幹線出張に切り替えたのだ。
ちなみに飛行機の切符は、明日27日9時10分羽田発福岡行きQBC363便であった。
その分、プレゼン資料を作りこむ時間が制限されることになったが、晃が驚異的スピードで資料を完成させた。どれだけ飛行機に乗りたくないのやら。
2028年10月27日10時00分
チュー!
俺はセルフマシンのコーヒーサーバーでブラックコーヒーを入れていた。
今は休憩中で福岡支店の休憩室にいた。先ほどまで午後から発表するプレゼン資料の最終確認を行っていた。すべて完璧で本日のメインイベントを“いまや遅し”と待ちかねる心境であった。俺と晃の2タッグにかかれば今の社内に向かうところ敵なしなのである。
今回の出張も飛行機から新幹線への切り替えも、上司には勝つことを条件に許可してもらった。やはり、過去からの実績がものをいうのだ。
突如、晃が驚いて俺を見た。晃が見ていたパソコン画面にはQBC363便が墜落した緊急速報が表示されていた。
「おい、これって俺たちがもともと乗る予定だった飛行機じゃないのか」
「ああ、そうだよ。こわい」
そのあと、2人ともしばらく無言だった。
午後のプレゼンは気持ちを切り替え俺たち2人の圧勝だった。
2028年11月6日12時15分
ジャーッ!
フライパンから旨そうな焼ける音と共にいい匂いが周りに広がる。
いつもの中華屋で2人してチャーハン餃子を掻っ込んでいると、TVで昼のニュースが流れた。この前の飛行機墜落の原因が爆弾テロではないかとの情報が発表された。当初、警察発表では整備不良による機体破損が原因と言われていた。マスコミがスクープした内容では、どうやら飛行機の落下地点の残骸から異物を回収したらしい。高性能の起爆装置と思われるとのこと。警察発表と全く違っている。
俺「また、テロかよ。日本でもテロが当たり前の世の中になってきたのか。」
晃「こう立て続けに起こると気味が悪いね」
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