気狂隊との死闘4-3
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おたのしみください。
エピソード5(対サイボーグ編)舟木隼人2
舟木隼人の過去
幼少期は、隼人は実父親の家庭内暴力を毎日受けていた。母親は逃げ出し行方不明だった。
耐え切れず7歳の時に父親を刺し殺した。その後、孤児院に引きとられる。
9歳の時、非常に頭が良いとのことで、裕福な家庭に養子縁組がなされた。
この家庭では英才教育を施してくれたため中学、高校、アメリカの大学進学が実現した。
アメリカの大学を卒業してからは研究機関に呼ばれ勤めていた。
ただ、この家庭の近くでは不可解な事件が多発していた。隼人が中学生の頃は、スズメがボーガンによって殺されている事件が頻繁に発生していた。
隼人が高校生の頃は、犬猫の首なし死体が幾度も発見された。生きたまま鋭利なナイフで切り刻み、絶命したあとに首を切り落とす手口だった。死ぬまでに残酷に拷問するのが目的だったようだ。隼人が渡米してからは、このような事件は全く聞かなくなった。
ちなみに留学したアメリカの大学では、時々不審死と思われる奇怪な事件が発生していたことは誰も知らない。
2030年7月9日16時23分
南陽町のテロ対策室にて柏木健斗と舟木隼人は対峙していた。
赤色カプセルを服用した健斗の方がはるかに戦闘面で能力的に上回るはずだったのだが・・・・。
舟木隼人の右腕はマシンだった。サイボーグ化したのだ。巨大なスタンガン及び粉砕機らしきものを前腕部に内蔵しており、触れるものをバラバラにしていた。
バキッバキッバキッ!!!! バリバリバリ!!!!
壁が、机が見る間に粉々になる。恐ろしい破壊力だ。距離を取るがうかつに攻撃が出来ない。
健斗はコンピュータの前に座る晃に視線を飛ばす。晃も意味することが分かったのだろう。頷いた。
ウイ---ン
晃はこの対策室にあるEMP装置(強力な電磁波を発生させる装置)を稼働させた。
この建物がある半径500mすべてのマシンが無力化した。
俺の人工心臓の動力源である超小型核融合炉は影響を受けない。
舟木隼人の右腕は動かない鉄の塊になった。ここからは純粋な肉弾戦である。
ヒュッ! バシッ! フッ! タンッタンッ!! ヒュン! シュッ! ガン!!
隼人が左腕を真横に振り抜く。俺はしゃがみ込みつつ、右ひじで跳ね上げ、左フックを腹部へ放つ。隼人はバックステップでかわし、すぐに右前蹴りを放つ。即座に左手にナイフを構え袈裟懸けを放つ。俺は動かないソニックブレードを取り出し応戦する。
お互い一歩も引かない。ここまで来たら意地と意地の張り合いだ。赤色カプセルを飲んでいた分、俺が優勢だ。
パキャン!!
両手で持ったソニックブレードでナイフを弾き飛ばした。俺はこの瞬間を待っていた。なぜか次の動きが分かったのだ。ソニックブレードを手放し、隼人の右回し蹴りを左前腕部で受けかわし、そのままサイボーグの右腕を掴み十字固めで決め、引き倒した。
「くらえ!この野郎!! 」ブチッ ブチッ ブチッ!!!!
健斗は、隼人のサイボーグの右腕を肩の接合部分から力の限り引きちぎる。
あまりの激痛に舟木隼人は戦闘意欲を喪失した。勝敗は決した。
カシャーン
舟木隼人を拘束後、健斗はポリマースーツのバイザーを開放した。
舟木隼人は驚いた。なぜコイツは死んでいないのだ。あの時、確かに心臓を貫いたはず。生きられるはずが・・・・そうか、またしても木野塚玲子か・・・。
「ふふ、フハハハ。」
晃も健斗も驚いた。この期に及んで舟木隼人は笑っている。
「お前たち。何もわかっちゃいないな。確かに俺はここまでだろう。しかしお前らの敵は気狂隊だけじゃないんだぞ。」
この時、晃も健斗も何のことかわからなかった。
舟木隼人の逮捕により、日本における気狂隊の鎮圧に成功した。
人工知能との戦い1へ続きます。




