気狂隊との死闘3
エピソード3(対獣人編)バッファロー
2029年11月13日2時50分
ここは南陽町のテロ対策室に近い大通り。戦いは夜中の路上であった。
青色のカプセルを飲んだ晃と健斗は1.5倍の身体能力で何とか獣人間と渡り合っていた。獣人間はおそらくバッファローとの融合であろう。頭から角が生え上半身はギリシャ神話に出てくるケンタウロスを彷彿とさせている。下半身も同じく立派な筋肉だ。全身黒く硬質な骨格で覆われている。知能がどれほどあるのか分からないが極めて危険な存在だ。
現状、PS31型拳銃もソニックブレードもスタンガンも効かない。対策が思いつかない・・・・。
冷静になって考えろ。考えろ。獣の弱点はどこだ。目だ。
シュパー!!!
俺は一瞬の隙をついて、閃光弾を放った。あたりが真っ白に光った後には視力を一時的に失った獣人間がいた。
ドスッ! ドスッ!! キギッー!!!!
晃が背中に必殺の2段蹴りを放ち、健斗がソニックブレードで両目を切り裂く。
「グギャアー!!!!」
視力を失い、大声をあげながら無茶苦茶に暴れまわる獣人間。
野生の勘なのか、見えないはずなのにバッファローのごとく低い体制で突進してきた。
健斗は回避に忙しく周囲が見えていなかった。気づいた時には路駐の車に逃げ場が塞がれていた。
ガン! ドスッ!!
このままでは健斗がやられる。晃は三角飛びの要領で路駐の車を踏み台にして飛び蹴りを放った。
グギャン!!!! 「ウゥー! 」
獣人間は一瞬のけぞるものの両手で晃の右足を空中で掴み、そのまま晃を路駐の車に叩きつけた。その場に投げ出されうめきもだえる晃。
パン! パン! パン! パン! パン! ・・・・
健斗は絶え間なく射撃することにより獣人間の意識を晃から遠ざけることに成功した。
ブンッ!!
特殊車両にいた木野塚玲子はアクセルを思い切り踏み込んだ。
ドガン!!!!
大通りで銃撃を受けて暴れ続ける目が見えない獣人間に特殊車両で体当たりを敢行した。いくら頑丈でも特殊車両の追突には叶わないはず。
ドンッ!! ゴー グシャ! ゴー グシャ! ゴー グシャ!
獣人間は跳ね飛ばされた80m先で1度はしぶとく立ち上がってきたが、その後玲子は躊躇なく何度も轢いた。息の根が止まるまで。
柏木健斗の決意
獣人間との死闘にはかろうじて勝利できた。このチームだから可能だったのだろう。
しかし、代償が大きすぎた。晃の右膝は重傷だった。あの時、晃が決死のキックを見舞ったから俺は無事でいられるんだ。本当ならあの場所で車に挟まれて死んでいたのは俺だ。
あの時のことについて晃は何も言わない。
リハビリは過酷を極めるだろう。日常生活が普通に送れるようになるのは50%の確率だと診断されていた。
俺が出来ることはいったいなんだ。どうしたらいい。
健斗はひとしきり悩み、答えを出した。
俺が今よりもっと強くなるんだ。これからもっと激しい闘いになるだろう。その時、自信をもって大切な人たちを守り抜くためにも毎日鍛錬するんだ。心も体も全力で。
『出来るか、出来ないかではない。やるか、やらないのか。』だ。
ここ警視庁の1室で正義感が強い3人の特対警察官が話し合っていた。
特対警察官とは通常では考えられない異常性・危険性が極めて高い特別な事件に対応できる最精鋭のエリート警察官である。
南陽町のテロ対策室だけが気狂隊の特殊な敵に狙われているのはなぜか。
どうも、主力メンバーの木野塚玲子が原因らしい。木野塚玲子は過去にアメリカで生物の遺伝子に関する研究を行い素晴らしい実績を上げていたらしいこと。特殊な敵とは犯人が人間ではない化け物だったとの情報が上がってきていること。
マッチポンプではないのか。木野塚玲子は警視庁長官とも面識があるらしく信頼されているようだが、本当は気狂隊と通じており化け物を作り出している張本人なのではないか。
これらの情報操作を裏から舟木隼人がしていたことは誰も知らない。
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