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気狂隊との死闘1

気狂隊との死闘

エピソード0(対人間編)

2029年2月9日15時45分

 南陽町にあるテロ対策室では、戦闘員との戦いが繰り広げられていた。

 侵入者は2人。2人ともアイスホッケーのゴールキーパーのような面をつけており、色は面も含め全身黒で統一されている。


 ビシッ! バシッ! ドンッ! ドンッ! グチャ!!

 繰り出される1,2パンチ、右回し蹴りから左回し蹴りの連続攻撃。

対する柏木健斗は、左前腕部で左ジャブ、右ストレート、右回し蹴りを連続ではねのけ、左回し蹴りは右前腕部ではじく。返しに左ストレートを相手の顔面に放った。


 バスッ!

 もう一人は晃が相手をしていた。見かけによらず晃は小さいころから空手を習い有段者だ。ちょうど相手の急所である水月(胃袋あたり)を下から上に突き上げる感じで正拳突きを決めていた。

 数秒後、分が悪いと判断したのか2人とも撤退した。

 健斗と晃は2人して顔を見合わせた。おかしい。あまりにもあっけなさすぎる。


 この時の侵入者は、健斗と晃の実力を見極めるためだけの先兵だったのだ。


エピソード1(対昆虫人間編)クモ

2029年3月2日13時15分

 南陽町のテロ対策室では、晃、玲子、健斗が待ち構えていた。なんとも奇妙なことに

気狂隊から襲撃予告があったのだ。


 襲撃予告時間は、2029年3月2日13時30分

気狂隊には日本のテロ対策室の場所は完全に把握されていた。今回の予告襲撃は日本中のテロ対策室に宣言されていた。警察署長の水木陽一は、全警察官に街の安全を守るため巡回を強化するように発令していた。


 この日の襲撃は他の対策室は問題なく気狂隊の構成員を撃退することが出来た。ただ、木野塚玲子がいる南陽町の対策室だけは違った。


 その姿はあまりにも異様だった。全身の黒い皮膚には鋭い針をまとい、顔と思しき場所には昆虫の複眼、触覚、四角い口はよだれを滴らせていた。およそ人間らしからぬ物体がそこにはいたのだ。口から強酸を吹き出しコンクリートの壁を溶かし、壁、天井関係なく歩き回る。身体能力は人間の約1.5倍、スピードも尋常ではなかった。


 パン! パン! パン! パン!

 晃がPS31型を使って銃弾を撃ち込むもまるで効いていないようだ。

健斗は素手で戦える相手ではないと判断し、ソニックブレードを掴む。

 ソニックブレードとは剣の部分がチエーンソーのように動き、回転する刃の尖端にはダイヤモンドが埋め込まれており金属すら簡単に切断できる。


 キュウィーン! ガン! ガン! ガン!

 昆虫人間がソニックブレードを受けた腕は無傷、針により弾き返したのだ。だめだ。いくら切り付けても効かない。


 バキッ! バキッ! バキッ!

 晃が背後から電圧を強化したスタンガンを押し付ける。これは効き目があった。昆虫人間は藻掻くように逃げ出した。


 シュー! シュー! シュー!

 事務所内の壁、床はいたるところに強酸による穴が空いていた。


2029年3月3日11時00分

 ここ南陽町のテロ対策室において作戦会議が行われていた。

 晃、玲子、健斗3人が真剣に勝つための方法を見つけようとしていた。

 わかっていることは、このまま対策が間に合わなければ確実に殺されるということ。

 木野塚玲子にはわかっていた。あの敵相手には何か強力なアイテムを使用するしかないことを。そしてその何かはあるのだが・・・・本当に使用しても良いのか。


青色カプセル

2029年3月5日13時00分

 木野塚玲子の手元には青色のカプセルが握られていた。これは研究所において人間の身体能力を高めるために開発していた薬だ。

 この薬を1粒服用すれば、2時間は1.5倍の身体能力向上が見込める。ただし、副作用が激しく、成人男性は連続使用は10回が限度であろう。1回の副作用は眩暈、倦怠感が数日残る程度だが、おそらく5回以上使用すれば痙攣、気絶などの症状が現れてくるだろう。まだ開発の途中なのだ。


 昆虫人間との2回戦に挑むにあたり、木野塚玲子は準備したのだ。

 あの集団戦闘事件以降、警察も俄然忙しくなり街の強化パトロールも2倍以上の人員を投下しての人海戦術を行っていた。この南陽町のテロ対策室だけ特別扱いをするわけにはいかなかったのだ。


2回戦

2029年3月8日14時00分

 昆虫人間の2回目の襲撃だ。

 晃、健斗ともに木野塚玲子に手渡された青色カプセルを服用したため、通常時の1.5倍のパワーが出ていた。

 晃と健斗は2人がかりで昆虫人間と戦っていた。身体能力が1,5倍になったことによりスピードが互角になり戦えるようになっていた。

 そのため、狙った部分に向けて切りつけることが出来た。関節部分だ。全身が強化された皮膚や針に覆われていても関節部分は違う。関節部分なら切り裂くことが出来るはずだ。


 プシュー! プシュー! ガン! ガン! ガン!

 健斗が昆虫人間の口からの強酸攻撃をよけつつ、ソニックブレードを体に打ち込み続ける。すべて跳ね返されているが、これは想定の範囲だ。


 バキッ! バキッ! バキッ!

 晃が後ろからスタンガンを押し当てる。電気ショックを受けた昆虫人間の動きが一瞬止まる。この隙を見逃すわけにはいかない。とっさに健斗は左手に短く持った特殊警棒で複眼を叩き、右手のソニックブレードを左腕の関節部分に切り込んだ。


 バシッ! メキリッ!! プシュープシュー! プシュー!

 嫌な音とともに青色の血が噴き出る。左腕はだらりとぶら下がった。

 昆虫人間は口から強酸を吹き出しながら、この状況からの脱出を試みる。そうはさせない。


 ズンッ! バスッ!! ガタン!!!!

 晃が横から2段蹴りを浴びせる。左足先は側頭部、右足は使用不能になった左腕を捉えた。直撃を受けた昆虫人間はその場に転倒した。


 ブシャー!!

 健斗は全能力を集中させ、ソニックブレードを真上から喉をめがけ切り裂いた。

 青色の血しぶきの中、昆虫人間の頭部と胴体がセパレートした。


 研究施設での分析により、昆虫人間は蜘蛛との遺伝子レベルでの融合体であることが分かった。どのような改造手術が行われたのか。また、人間の知性が残っていたのか。

 この後、研究施設では様々な検証が繰り返された。


 お読み頂き、ありがとうございます。

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よろしくお願いします。

 嬉しさのあまりモチベーションが上がり、更新も早くなりそうです。

 応援よろしくお願いします。!!!!


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