レストラン爆破事件
レストラン爆破事件
2028年9月30日12時30分
ボンッ! ゴーッッ!!
突然、ガス爆発が起こり高層ビル1階部分のレストランが火の海になった。
昼時のオフィス街でもあり、その日も満席だった。
食事中だった俺こと柏木健斗と同僚の水木晃は、
その瞬間、全身火だるまになった。そして何ら言葉を発する間もなく2人とも絶命した。
2028年9月30日11時50分
場所は丸菱工業本社12階の営業部デスク
「あー腹減った。健斗、昼めし食いに行こうぜ。」同僚の水木晃が声をかけてきた。
「おう。今日は隣のレストランだったよな。」と、俺は返事をした。
「悪りい。今日は予定を変更して2ブロック先の中華屋にしよう。何でも今日は餃子定食1000円が半額セールだって店の入り口に書いてあったからよ。」
「おう。わかった」
柏木健斗と水木晃は2年前に丸菱工業に入社した同期だ。2人とも普通のサラリーマンだ。
2028年9月30日12時25分
ジャーッ!
フライパンから旨そうな焼ける音と共にいい匂いが周りに広がる。
「うめー。ここの餃子はニンニクが効いていてうまいぜ。最高。」
「うまいけど、午後からの外回りは大丈夫なのか。俺は午後からは書類整理で社内だが。」
「男がそんな小さいこと気にしてどうすんだ。スタミナ第一だよ。」
ドガガガガッ! ガシャー!! ガガシャー!! ゴーッ!!!!
ウワー! ウウゥ!! キャー!! キャッ-!!!!
突如、地響きを伴い窓ガラスが砕け散り熱風が吹き込んできた。近くで何かが爆発したみたいだ。
表は、がれきが飛び交い倒れた人たちがうめいている。
俺たちは、爆発した場所に向かって走り始めた。
こういう時、人の行動は3パターンに分かれる。
我先にその場から危険がない場所へ逃げ去る人。
近隣の負傷者に手を貸す人
爆発した場所に駆けつける人
数分後、到着した爆発地点は、もともと今日の昼に行くはずのレストランだった。
複数の救急車、消防車、パトカーがひっきりなしに殺到し、野次馬がいきり立っていた。
目の前のタンカには男か女かわからない、生きているのか死んでいるのかもわからない人が載せられ運ばれていた。
「俺たちは運がよかったのだな。」呆然としつつ俺がつぶやく。
「ああ、間違いなく死んでいたな。」晃は惨状をながめながら答えた。
2028年10月10日12時20分
ジャーッ!
フライパンから旨そうな焼ける音と共にいい匂いが周りに広がる。
いつもの中華屋で今日も2人で餃子を食べていた。備え付けのTVでは昼のニュースが流れていた。先日起こったレストランの大規模爆発事件の追加報道がされていた。
当初はレストランの厨房でガス漏れが原因の爆発と思われていたが、最近頻発に発生している<気狂隊>によるテロの可能性が出てきたとのこと。
どうやら現場検証の際、高性能な起爆装置の部品が発見されたらしい。警察は正式に公表していないが、このテレビ局の情報収集に引っかかったとのこと。
こういう時、マスコミが大げさに騒ぐことにより警察は事実を公表せざるを得なくなる。
今回はいつごろ大本営からの正式発表があるだろうか。
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