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アルストロメリアのお菓子屋さん  ~ お菓子を作って、お菓子作りを教えて、楽しい異世界生活 ~  作者: 葉山麻代
2章

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93/688

勤務

帰ると店の前にリラが待っていた。

又何かあったのかと慌てたが、リラが怯えていたりせずニコニコとしていたので違うのだろうと思い安堵した。


「ユリ様!毎日お手伝いしたいです!」


あ、そうだった。マーレイに頼んだんだった。と、ユリは自分で頼んだことを思いだした。


「リラちゃん、お手伝いじゃなく毎日働くの、大丈夫?」

「はい!お父さんみたいに働くんですよね。とっても楽しみです」

月曜日(つきのひ)金曜日(きんのひ)まで朝9:30~18:30の勤務で、14:00~15:00がランチセット付休憩ね。基本月給20万☆、料理もお菓子も教える特典付きで、残業の時は夕飯付きで時給換算1500☆の予定よ」

Mの日(つきのひ)Gの日(きんのひ)ですよね、凄いです!お父さんより稼いじゃうかも!」


「リラちゃん、お家は他に誰がいるの?」

「家にはお父さんだけです。お母さんとお兄ちゃんは遠くに働きに行きました」

「それなら、リラちゃんが夕飯をここで食べたらマーレイさんは独りになっちゃうわね? じゃあ、その場合はマーレイさんもここで食べるように言っておいてくれる?」

「はい!」


って、あれ? マーレイさん、いつリラちゃんに言ったんだろう?

この話をしたの今朝だったのに?


アイス箱など荷物を下ろしてくれたらしいマーレイが挨拶に来た。


「ユリ・ハナノ様、昼に戻ったときにリラに伝えましたところ喜んでおりました」

「そうなのね、いつ伝えたのか不思議でした」


遠くから来る馬車の御者はパープル侯爵邸で食事も出されるが、マーレイは馬車でも15分とかからないので、歩いて家に帰ってリラと食事をしていたらしい。


「なんなら、昼ごはんもうちで食べたら良いと思うわよ?14:00からになっちゃうけど」

「よろしいのですか?」

「リラちゃんも安心するでしょ」

「ありがとうございます。よろしくお願いいたします」

「はい。じゃあ、来られる時は食べに来てくださいね」

「かしこまりました」


家に入り、手を上げて背伸びをする。


「はあー疲れた!」

「お疲れ様! 良かったら夕飯作るよ?」

「ありがとう!楽しみー!」


ご飯をソウが作ってくれると言うので、ユリは足りなくなりそうなパウンドケーキを焼くことにした。


普段は開店前の時間に作っているが、月曜日(つきのひ)からリラが来るなら余裕を持って迎えたい。


販売分と言うより、器との引き換え分だ。

以前は日曜日(おひさまのひ)に作っていたが、土曜日(だいちのひ)にはアルストロメリア会があるので日曜日(おひさまのひ)まで働いては休める日がなくなってしまう。


むしろリラが来るんだから、月曜日(つきのひ)に作れば楽だと言う発想がユリにはなかった。お客様対応である。



3種類のパウンドケーキを5個ずつ作り、アイスボックスクッキーの仕込みをして仕事を終えた。



2階に行くと、ソウが作っているのを見たユメが、ライバル心を燃やしていた。

そういえば、以前作ってもらったときはユメちゃん旅に出ていたんだったわね。


ソウが作ってくれたご飯を食べながらユリはユメに訪ねた。


「ユメちゃん、お昼何も食べなかったの? お菓子全然減ってなかったけど?」

「パウンドケーキ、ひとつ貰ったにゃ」

「それじゃ足りないでしょ?」

「ユリのパウンドケーキはひとつでも魔力が戻るにゃ」

「???」


ユメの言っている意味がわからないユリはソウを見た。


「ユリの作ったものを食べると、回復魔法と同じような効果があるんだよ。特にお菓子」

「パウンドケーキと黒蜜が最高にゃ!」

「あーそれで、皆、黒蜜大好きなのね。・・・じゃあ、黒糖で作ったパウンドケーキがあれば更に良いの?」

「え?」「にゃ?」


二人は固まったまま目を見開いていた。


「凄いにゃ! ユリ天才にゃ!」

「それ俺も食べたい!」

「じゃあ、作るわ。以前作ったこと有るし」



翌日のお日様の日、ユリは家内分で黒糖入りフルーツパウンドケーキを1本作り、カットして半分ずつソウとユメに渡した。


「パウンドケーキって、本当は何もいれないのよ。これは正確にはフルーツケーキ。パウンドケーキは、卵、砂糖、バター、小麦粉がほぼ同量のケーキでね。国によってはカトルカール(4分の1が4つ)って名前なのよ」

「ユリはなんでも知ってて凄いにゃ」

「子供の頃お菓子屋さんになりたくて、いっぱいお菓子の本を読んだのよ」

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