暴食
結果だが、抹茶アイスクリームは多めに余った。
明日のチョコに期待している。と言って帰る人もいた。
2色盛りが無かったのも余った原因かもしれない。
時間になりマーレイとリラが来た。
「今日はチョコアイスクリームと、パイナップルアイスクリームを作ります。パイナップルはわかりますか?」
「わかりません」
「存じ上げません」
「桃はわかりますか?」
「桃はわかります!」
「はい。桃は食べたことがございます」
「んーなら桃にしようかしら?」
「手伝うにゃ!」
「あ、ユメちゃん!パイナップルと桃、どっちが良いかしら?」
「どっちも良いにゃ!」
「ただいまー!今日は間に合ったな!」
「あ、ソウ、パイナップルと桃、どっちが良いと思う?」
「店売り?家内分?」
「とりあえず、店売り分かな」
「店売り分は桃で、家内分は両方じゃダメなの?」
「作業時間増えるけど、良いの?」
「俺は構わないよ」
「良いにゃ!」
「大丈夫です!」
「構いません」
「では、チョコが9回、桃が2回、パイナップルが1回の12回作ります。皆さん頑張りましょう!」
「はーい!」
「はいにゃ!」
「かしこまりました」
「よーし、今日は頑張るぞー!」
「アングレーズソースを冷やす時間があるので、先に桃を作りましょうか」
「お皿やココットはいくつ用意しますか?」
「ココット詰めが50、大デッシャー90、中デッシャー60の進行です」
「ユリ様、お皿、中皿が足りません」
「あ!冷凍庫の抹茶アイスクリームがのっているお皿、アイスクリームはボールにあけてお皿を洗ってくれる?」
「はーい」
「そのアイスクリームどうするにゃ」
「食べても良いわよ? 余りだから」
3人の目が光り、こちらを見る。
「すぐ作業だから、空き時間に食べてくれる?」
「わかったにゃ」
3人は、倍速で準備を始めた。
「桃の缶詰を開けてください」
ソウとマーレイが缶を開け、ユメとリラがボールに乗せたザルに空けていた。
「桃缶のシロップを切って、手動フードチョッパーで刻みます。あとはメロンと同じ作り方です」
「ユリ様、白っぽいのと黄色っぽいのがありますが、同じものですか?」
「あれ、混ざってた? じゃあ2回分が均一になるように数を調整してください。色の違いは桃の種類の差で、双方桃です。白い方が少し柔らかいかもしれません」
「このシロップはどうしますか?」
「シロップは要らないので・・・何かお菓子にしましょうか?」
「はい!」
「じゃあ、ボールに集めて冷蔵庫にいれておいてください。ゼリーでも作りましょう」
「液状になった桃とお砂糖と生クリームをアイス箱に入れて、ハンドルを回してください」
「はーい!」
「回すにゃ!」
「疲れたら代わるぞ」
ユリはアングレーズソースを作りに行った。
できたアングレーズソースを冷やして戻ってくると既に2回目を作っていた。
何と言うスピード。
ユリも次のアングレーズソースを作ることにした。どうせ全部で9回作るのだし、早く作って冷やした方が作業も楽だろうと考えた。
「ユリ様!桃アイスクリーム、終わりました!」
「え!早! じゃあチョコアイスクリームを作りましょう」
「作り方は、抹茶の時と同じです。抹茶の粉が、ココアに変わります」
ユリは純ココアを用意し、砂糖と混ぜた。
少量のお湯で溶き、ゴムベラで良く混ぜる。
全ての材料をいれ声をかけた。
「では、ハンドルを回してください」
「はーい!」
「はい」
あれ?と作業台を見ると、ユメとソウは抹茶アイスクリームを食べていた。
こちらに気づいたのかあわてて作業に加わった。
順調に作っていたが、やはり、21:30をゆうに越え、まだパイナップルアイスクリームが残っている。
桃とチョコは10個ずつ家内用ができて、残っていた抹茶は20こくらい有ったので充分食べたと思うが、時間を空けて食べているのでまだ食べられるらしい。
「では最後にパイナップルアイスクリームを作りましょうか」
「缶詰パイナップルは少量をナイフで小さく刻み、残りは手動フードチョッパーで液状になるまで細かくします。あとは桃アイスクリームと同じです」
元の国の手動アイスクリームメーカーだと、20~30分かかった気がするけど、大体15分弱で出来上がる。
洗ったり用意の時間を含めても20分はかからない。
それでも13回も回せば4時間は切れないだろう。
パイナップルアイスクリームが出来上がったのは22:15頃だった。予想より大分早い。
「大変お疲れ様でした!どうぞお召し上がりください。私は1個で良いから適当に分けてくださいね」
「私も1つで結構ですので」
マーレイも遠慮した。
17個有ったパイナップルアイスクリームは、3人のお腹に5個ずつ収まったらしい。
その前にも、チョコ2つ、桃2つ、抹茶3つ食べているのにだ。
12個のアイスクリームって、凄い量だと思うんだけどな。
熱いお茶をいれましょう。ふふふ。




