行列
いよいよアイスクリームの予約が始まる。
11:00にオープンするのがちょっとだけ怖い。
混雑を予想して、今日はカレーライスとグラタンにした。
セットは冷茶とミルクゼリーだ。
一番手間がかからない。
書いた紙を張り出してみた。
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アイスクリームの予約は味を選んで1回の予約で2つ分まで指定できます。
1つ500☆ 真冬箱をお持ちください。
1 バニラ 限定30
2 イチゴ 限定30
3 抹 茶 限定30
4 チョコ 限定30
7 ブルーベリー 限定30
8 ラムレーズン 限定30
9 シャーベット 限定30
10 バニラ 限定20
11 イチゴ 限定20
14 抹 茶 限定20
15 チョコ 限定20
16 ブルーベリー 限定20
17 ラムレーズン 限定20
18 シャーベット 限定20
21 バニラ 限定20
22 イチゴ 限定20
23 抹 茶 限定20
24 チョコ 限定20
25 ブルーベリー 限定20
28 ラムレーズン 限定20
29 シャーベット 限定20
30 味未定A 限定30
31 味未定B 限定30
予約券は指定日のみ有効です。
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そして10:30に掃除のためドアを開けると、外に行列ができていた。
えーと、馬車もそんなに停まってないし、歩いてきたの?
まだ乗り合い馬車到着してないよね?
予約チケットの束と書き込み表23枚を持って、日付を選んでくださいと言ってまわった。
「同じ味が2つ欲しければ名前を続けて2回書いてください。違う味が欲しければ日付を選んでください」
名前を書いた人に、日付と味が書いてある通し番号付きのチケットを渡す。
名前を書いた欄と同じ番号付きなら手違いが起きないですむだろうと考えた。
並んでいる人、あまり見かけたことがない人が多くて不思議に思っていると、順番要員に駆り出された人達らしい。
だから馬車がなくても来ていたのね。
中には名前が書けない人がいて、とにかく予約券をくれと言われた。
それらは自分の名前が書けないわけではなく、雇い主が誰だか良くわかっていないと言うことらしかった。
(恐れ多くて書けないのかもしれないが)
外にいたのは30人くらいだったので、売り切れた日はなかったけど、代理屋には対応する必要がありそうだった。
そして、一番売れたのは、
30 味未定A 限定30
31 味未定B 限定30
この2つだった。
外の列がなくなる頃、丁度11:00になった。
普通に来て普通に予約してくれる人はありがたい。
積んである板から好みの日付に名前を書き、その板と引き換えに予約券を渡す。
ランチは静かに終了し、予約状況を確かめると、意外なことにチョコの人気がなかった。一件の予約も入っていない。
んー、ナッツでも入れようかしら。
自分で作ったグラタンを久々に食べ、あー、週末に教えるのか。と思い出した。
おやつはしばらく新作は無しのつもりだ。
ランチから同じデザートで乗りきるのだ。
おやつタイムが始まって、予約パニックになったらどうしようと少し憂鬱だったが、みんな紳士だった。
朝のあれは一体なんだったんだろう。
皆、帰りがけに予約をいれて、2度来たりしないで帰っていった。




