復活
あれから15年後の5月
ユリは45歳、ソウは47歳。
マリカは19歳になる。こちらの年齢だと20歳だ。
マリカは向こうの国で飛び級で卒業し、14歳で大学卒業認定を受け、戻ってきた。それからはこちらの国で社交を行い、ソウに似た美形で、ユリに似た優しい雰囲気があり、ジャスミン姫と呼ばれ、国中で大人気だ。15歳頃から、4歳年上の第一王子であるプラタナスから求婚されており、その他の男性からは手が出せない状況になっている。
王宮は、メイプルが国王になり、パウローニアは引退して離宮に引っ込み、楽しい余生を送っている。
ユリはハイドランジアにお世話になったため、たまに顔を出して、お茶をしたり世間話をしたりしている。
未だにアルストロメリア会は開催していて、今は、現パープル侯爵夫人のスノードロップが引き継いでいる。パーシモン・パープルと、ローズマリーも引退していて、今は離宮を管理し、悠々自適に暮らしている。そこにもユリは顔を出しお茶を楽しんでいる。
ソウは変わらず急ぎの荷物の配送を請け負っているが、年に2回帰れるようにしたので、そんなに頼まれることもない。メインは、向こうの国に納品するパウンドケーキだ。根強い人気で、衰えることなく、売れ続けている。
リラは、未だにユリの店にいるが、なんと貴族の三男坊と結婚し、夫とユリの店のそばに家を立てた。夫は爵位はないが、パープル邸で頭脳労働で働いている。子供が2人いる。
メリッサとイポミアも変わらず勤めているが、シーミオが成長し、ユリの店で配膳をしている。イポミアは厨房に移ったので、配膳は新しい人がもう一人増えた。
マーレイとイリスも、変わらずユリの店にいる。
シィスルとグランは人を増やし、お店も盛況だ。子供が3人いて、バリバリ働いている。
リナーリは27歳になる。独立し、パープル邸のそばに、お店を構えている。
マリーゴールドは、恵まれない子供や職の無い女性に、料理を振る舞ったり、作り方を教えたり、文字や言葉使いを教えて、未亡人の生活基盤を整える活動をしている。
子供が3人いて、夫婦仲は未だに熱々らしい。
今日は世界樹様から呼ばれていて、マリカは一人で世界樹の森に出向いている。
何か渡すものがあると呼び出されたのだ。
「マリカに渡すものって、何かしらね」
「なんだろうな。たんにマリちゃんの成長を見たいだけかもしれないな」
「えー、そんな理由で、呼び出す?」
「それはないか」
ユリとソウは、マリカの帰りを待っていた。
マリカの話を聞き、2人が驚くのはもうすぐ。
━━━━━━━ 終わり ━━━━━━━
長らくのご愛顧ありがとうございました。




