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アルストロメリアのお菓子屋さん (本文完結済) ~ お菓子を作って、お菓子作りを教えて、楽しい異世界生活 ~  作者: 葉山麻代
7章

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柔飴

「おはよーございまーす!」

「来たわね」


リラは、9時にやってきた。仕事じゃないんだからこんなに早くから来なくても良いのにとは思うが、昨日リナーリたちに譲っていたので、ユリも仕方ないと諦めた。


「ユリ、俺もなにか手伝う?」

「多分キャラメルを作ったり、紫蘇ジュースを作ったりするだけだと思うから、お昼ごはんに戻ってきてくれれば大丈夫よ」

「了解」


ソウは笑いながら出掛けていった。


ユリは厨房へ行き、リラに渡そうと用意しておいた紙を持って来た。


◇ーーーーー◇

基本材料

牛乳     150ml

生クリーム  200ml

グラニュー糖 100g

水飴     20g

無塩バター  20g


+アレンジ

紅茶の茶葉  10g

コーヒー粉   8g

ヨーグルト(牛乳を無糖ヨーグルトに置き換える)

抹茶

黒糖、砂糖の半分を黒糖に変更

ココア

苺粉

フルーツピュレ

アーモンドダイス(ヌガー)

生姜(スパイシーキャラメル)


柔らか目に煮詰める(生キャラメル)

基本から、バター+80g 牛乳-100ml

◇ーーーーー◇


「皆さん、おはよう」

「キャラメル作りに来ました!」

「ユリ様おはようございます」

「ユリ様おはようございます」


なんとリラは、リナーリやイポミアまで誘っていたらしい。そう言えば昨日のリラは、帰るリナーリを呼び止めていた。


「遅くなりましたー!」


そう言って入ってきたのは、シーミオをつれたメリッサだった。


「みんなキャラメルを作るために来たの?」

「はい!」

「何キャラメルを作るの? 基本だけ教えれば良いの?」

「せっかく人数いますし、5種類作りましょう」


シーミオは見学だとして、ユリも頭数に入っているらしい。


「柔らか目のは、保存に冬箱が必要だから、夏の販売には向かないわよ」

「では、上から5種類で」

「誰が何を作るの?」

「難しい順を教えてください」

「上から5つなら抹茶、コーヒー、紅茶、ヨーグルト、基本の順かしら。色が分かりにくいという点での難しさよ」

「なら、ユリ様が抹茶で、私がコーヒーで、リナーリが紅茶で、メリ姉がヨーグルトで、ミア姉が基本で良い?」


リラの仕分けに、反対意見は出なかった。


「リナーリちゃんは厨房に入れるけど、シーミオちゃんは入れないから、お店に夏板持って来て作りましょうか。その方が温度も均一そうだからね」

「はーい」


「リラちゃん、一応聞くけど、あとは他に誰に声をかけたの?」

「え? 全員ですけど?」


全員の範囲って、どこまでだろう?あとは誰が来るんだろう?と不安になるユリだった。


「基本味とヨーグルト味は、量ったら全て鍋に入れてね。紅茶味は、温めた牛乳で紅茶を煮出して濾してから、他の材料を混ぜてね。抹茶味とコーヒー味は、温めた牛乳で良く溶いてから、混ぜ合わせてね」


およその流れを説明し、材料を量り始めた。ユリは、抹茶にグラニュー糖を少し混ぜて、牛乳で練ってから溶き伸ばした。


「水飴は、先に砂糖を量って、手を濡らして大さじ1くらいを掴んで砂糖の中に入れて量れば、器が汚れずに済むのよ」


ユリが実践して見せると、メリッサとイポミアの分は、リナーリが練習がてら量っていた。水飴は、ソウが仕入れてきていて、一斗缶に入っている。


計量が終わった頃、ユメとキボウが帰ってきた。


「もう来てるのにゃ!? もう作ってるのにゃ!?」

「いっぱーい、いっぱーい」


ユメとキボウは、メリッサが作る方に専念しているため、シーミオの相手をしてくれるらしく、折り紙やお絵かきセットを出していた。


リナーリの作る紅茶を茶漉しで濾して、準備が整った。


「バット等の容器に、脇に油を塗って、下にオーブンシートを敷いて用意しておきます」


全員で1枚ずつ用意した。


「後で必要なので、大きめのグラスなどに、氷水を用意します」

「ユリ、今すぐ使わないなら、私が用意しておくにゃ」

「ユメちゃん、お願いします」


作り方の説明を聞いていたユメが、用意してくれるらしい。


「全ての材料が入った鍋は、木ベラ等でかき混ぜながら焦げ付かないようにします」

「はい」

「時間がかかるので、根気よく混ぜてください」


説明が一旦落ち着いたので、ユメが氷水を取りに行った。いっぺんに持てなかったのか、2つずつ持ってきた。2度目の時にキボウがひとつ持ってきた。


「吹きこぼさないように、焦がさないように、充分注意して混ぜてください」


「こんにちは。お邪魔しまーす」


そう言って訪ねてきたのは、セリとカンナだった。


「遅くなりましたー」


次に来たのは、イリスだった。後から来た3人は、覗き込んで見学している。


「何か作業はございますか?」

「イリスさんありがとう。リラちゃん、保存どうするの?」

「先日くださったキャラメルのように、くっつかない紙に包みたいと思います」

「なら、イリスさん、先日のキャラメルの紙サイズに、オーブンシートをカットしてください」

「かしこまりました」


イリスの手伝いを、セリとカンナもするらしい。


「あ、そうだ。ちょっと私のかき混ぜてて貰えます?」


ユリは、そばにいたセリに頼むと、階段を上がっていった。そして、ラップフィルムの箱のような形のカラフルな箱を何種類か持って戻って来た。


「イリスさん、これ、柄付きのオーブンシートなのよ。これで包めば、種類が分けられると思うのよね」


イリスに箱を渡し、ユリはキャラメル作りに戻った。急に引き継いでいたセリは、無事に返すことが出来、胸を撫で下ろしていた。


しばらく時間がたち、だいぶ煮詰まってきた。


「このくらいの固さまで煮詰めますが、最終確認として、少し氷水に落としてみます。すぐに散るようでは柔らかすぎで、塊になり、触って固さがあり少し柔らかいくらいがちょうど良いです。これを更に固く煮詰めると、固い飴になります」


ユリは、氷水に落として見せた。


「リナーリちゃんのもう良いと思うわ、少ししたら次はリラちゃん」


ユリは指示をしながら、自分の作っているキャラメルも再度固さを確認し、火力を止めた。


「出来たら用意したバットに流し入れてください」


バットに流し入れ、冷えるように、マーブル台に置いてきた。


「メリッサさんとイポミアさんも、そろそろ大丈夫だと思うわ」


「どうして出来上がりに時間差が出来たんですか?」

「水分量の差だと思うわよ」

「水分は、全員同じ配合でしたよね?」

「紅茶の茶葉が吸った水分や、牛乳温めているし、ヨーグルトの固形分と液体の牛乳の差とかかしらね」


全員出来上がり、マーブル台にのせ、冷やしている。


「表面が冷えて固まってきたら、好きなサイズにカットします。完全に冷えると切れなくなるので、まずは、切る線を付けるようにナイフで表目を触り、付けた後が消えなくなってきたら、切りごろです」


好きなサイズと言っても、口に入れて食べやすいサイズがおすすめである。


メリッサとイポミアは、カットは遠慮すると言っていた。

主にユリとリラがカットし、切ったものから包み紙で包んでいった。


基本味が黄色い模様の包み紙

ヨーグルト味が白い包み紙

紅茶味が赤い模様の包み紙

コーヒー味が茶色い包み紙

抹茶味が葉っぱ模様の包み紙


各種40粒くらい出来たので、1人1種類を3個ずつ分けた。合計15粒を皆ニコニコと受け取った。残りは、シィスルとマリーゴールドが帰ってきたら、味見を渡す予定だ。


皆が帰り、リラは残っていた。

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