表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アルストロメリアのお菓子屋さん  ~ お菓子を作って、お菓子作りを教えて、楽しい異世界生活 ~  作者: 葉山麻代
1章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

59/688

葛粉

11:00になり、店を開けるとパープル侯爵家の執事が手紙をもって現れた。


とりあえず満席状態の店内が一段落するまで待ってもらってから手紙を開くと、葛粉が手に入らないという内容だった。


あー、葛粉は無かったのね。


葛粉はこちらでどうにかしますから他のものだけ用意してください。と伝えると、明らかにほっとした様子で帰って行った。



ランチタイムを終了する頃、ソウが2階から降りてきた。


「ソウ、お店のランチ食べる?上で何か食べる?」

「ただいまユリ、メニューは?」

「おかえりなさい。お店は生姜焼と、カレーライスで、上だと冷やし中華かな」

「どれも好きだけど、ユリと同じもの食べたい」

「じゃあ、冷やし中華かな」

「うん、それにしよう!」


「少し待ってね」


14:00になり、最後の客が店を出た。



カペッリーニを、重曹を入れたお湯で茹でると、普通に茹でるより、モチモチになるのだ。

よく洗い、よく冷やして水を切って皿に盛り付ける。

細切りキュウリと金糸玉子とハムとプチトマトをのせ、冷やし中華のタレをかけてできあがり。


「お!本格的中華」

「冷やし中華は、本格的中華料理じゃないのよ」

「そうらしいね。そういえば、中華麺どうしたの?」

「これ、カペッリーニよ。重曹を入れて茹でると中華麺ぽくなるの」


カペッリーニは、細いパスタである。

重曹を入れすぎると苦みが残るので注意が必要だ。


「へぇ、そうなんだ」

「さぁ食べましょう」

「いただきまーす」

「はい、いただきます」


「普通に中華麺だね」

「そうね。冷やし中華にしか使ったこと無いけど、温かい麺や、焼きそばでも良いらしいわよ」

「へぇ。良く知ってたね」

「昔から有る、有名な知識なのよ。でも普通に中華麺が手に入る環境下で試そうと思えなくてね。細麺がなかなか売っていない冷やし中華にしか使ったことがないのよ」

「少し太いパスタで焼きそばとか作ってみるならパスタ用意するよ?」

「パスタは持ってきたのがあるわ。そうだ、葛粉用意できる?」

「葛粉?」

「アルストロメリア会で葛切りを作るのに用意するもの一覧で書いて渡したんだけど、入手できないって、朝、執事さんが来たの」

「わかった。どのくらいあれば良いの?」

「評判良かったし、うちでも使うから20~30kgくらい。急ぎで500gってところかしら」

「金曜日までに用意しておくよ」

「ありがとう! あ、そうだ。植物届いたわよ」

「お!じゃあ、後で植えておくよ」

「ありがとう」


「ソウは、ユメちゃんがどこに行ったか知らない?」

「昨日から居ないままなのか」

「うん」

「仕事で色々回るとき探してみるよ」

「うん。・・・ちゃんとご飯食べてるかな・・・」


ユリは、お菓子を少量しか持たずに出かけたまま戻らないユメが心配だった。


そもそもユメちゃんは本当に猫なんだろうか?

猫になれる人なんだろうか?

人になれる猫なんだろうか?

食べ物の好みは人よりだと思うけど、猫の姿でいるのが一番多い。


もう帰ってこないなら寂しいな。



色々考えているうちに15:00になってしまい、あわてて店を開けた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ