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アルストロメリアのお菓子屋さん (本文完結済) ~ お菓子を作って、お菓子作りを教えて、楽しい異世界生活 ~  作者: 葉山麻代
7章

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梅事

大変申し訳ございません。

1話抜かしてしまいました。

この話の前に差し込みましたので、ご興味がある方は、お読みください。例え読まれずとも、進行に差し障りはございません。

梅酒や梅ジュースを各所に持ち込んだ数日後から、作り方の問い合わせがあり、アルストロメリア会にて教えることになった。

しかも、希望者がすごい人数なのだ。王宮からもリクエストがあり、ユリはローズマリーとラベンダーに相談し、いつもの会場と、王宮とで開催することにしたのだった。


危険や難しい作業はないので、年齢制限等をつけなかった。そうしたらなんと、男性の申し込みがちらほらあったらしいのだ。


「ソウ、梅酒の作り方講座に、男性からの申し込みが多数有るらしいんだけど、一緒に出る?」

「え!? アルストロメリア会に申し込んできたの?」

「うん。梅ジュースならシーミオちゃんでも作っていたから、年齢制限は要らないと思って、制限無しってしたのよ。そうしたら、ね」

「具体的な名簿有る?」

「預かってきているわよ」


◇ーーーーー◇

パウローニア・カラー様

ダビディア・レッド様

キャンファー・ブルー様

パーシモン・パープル様

ゼルコバ・ブラウン様

キクノスケ・ウルトラマリンブルー様

◇ーーーーー◇


名簿が、国王、公爵、公爵、侯爵、侯爵、侯爵代理だ。


「ははは、錚々(そうそう)たるメンバーだな。あれ? イエロー公爵は居ないんだな」

「うん。まあ、持ち込んだところに近しい人たちだけなのかもしれないけど、この顔ぶれならイエロー公爵にも声をかけて、ソウが同席で、別日が良いかなって思うのよ」

「こいつら、仕込みとか出来るのか?」

「うーん、未知数ね」

「作り方と言うより、量だよな。8リットル瓶で作るか」

「うふふ。そうね」


2kgの梅を洗ったりヘタを取ったり拭いたりしている姿を想像して笑ってしまった。


「あ、4リットル瓶2つで、片方は黒糖梅酒にしたら?」

「おう。それが良いかもな。4リットル瓶を14用意するか」

「王宮は、1リットル瓶で120本、アルストロメリア会は、3リットル瓶と4リットル瓶を20本ずつお願いします。あと、目打ち90個くらい買ってきてくれる?」

「了解」


◇ーーーーー◇

梅酒 梅×参加数 梅合計 氷糖  vo  黒糖  ラム酒

1L瓶 250×60 15000 15000 15升

4L瓶 1000×7  7000  7000 7升     

4L瓶 1000×7  7000  3500     3500  7升

4L瓶 1000×20 20000 20000 20升    

 

梅ジュース 梅×参加数 梅合計  氷糖

1L瓶    450×60  27000  27000

3L瓶    1000×20  20000  20000

◇ーーーーー◇


「ソウ、ホワイトリカー1本、氷糖10ケースお願い。黒糖4kg、ブランデーvo42升(75600ml)、ラム酒7升(12500ml)ね。梅、96kgも用意できるかしら?」

「花梨花に聞いて無理なら、向こうで用意してくるよ」

「お願いします」


そんな下準備を経て、梅酒と梅ジュースを作る会は開催された。



リラを連れてのアルストロメリア会。今回は特別に、マリーゴールドも連れてきた。シィスルだけ仲間はずれは嫌かと思い誘ってみたら、「謹んで辞退申し上げます」と、真面目に返された。例え一人でもお店を開けると言うので、ユメの魔道具のリュックサックを貸し、Gの日(きんのひ)に、ユリも協力してEの日(だいちのひ)の分のランチを全て作り上げておいた。当日は、シィスルとリナーリだけなので、飲み物とサラダの盛り付けくらいになるようにしておいた。


ユリは気を遣って、無地の割烹着を持ち込んだが、事前にローズマリーに参加を伝えたら、花の刺繍入りの割烹着を用意してくれていた。城での開催にもマリーゴールドを連れていく予定なので、アルストロメリア会の割烹着はとてもありがたい。


「マリーゴールド様、助手同士仲良くしましょうね」

「ら、ラベンダー様、よろしくお願い致します」

「リラちゃんも、よろしくね」

「ラベンダー様、よろしくお願い致します」


普通の挨拶だけなら、リラは落ち着いたものだ。


「ラベンダーは、作り方わかるのにゃ?」

「ユメ様、お城で教えるときに手伝えますよう、本日覚える所存でございます」

「ラベンダー、私の事は、ユメちゃんと呼んでにゃ。急に難しければ、来月からでも良いにゃ」

「かしこまりました」


ユメは各所で、名前の呼び方を変えるよう通達している。ユリは少し気になったが、何も言わないでいた。


会が始まると、ラベンダーがマリーゴールドの紹介を皆にしてくれた。緊張したマリーゴールドが挨拶をすると、少し驚かれた。学園を出ていないことが知られていたらしい。それなのに、完璧な挨拶だったようで、皆には快く受け入れて貰えたとラベンダーから説明された。


ユリとリラにはわからない機微等があり、ラベンダーが大丈夫と言うなら安心だとユリもリラも安堵したのだった。


作り方の説明が始まると、リラは顔見知りのところを担当し、マリーゴールドは、同年代の参加者から呼ばれ、仲良く指導していた。ラベンダーはユリについて回り、ユメとキボウも指導側で頑張ってくれていた。今回もキボウの協力で、梅を凍らせた。先に梅酒を仕込んでいるときだった。


「そうだったのでございますか! あ、失礼いたしました」


マリーゴールドがいるテーブルで、驚いた声を上げた女性がいた。大丈夫だろうかと心配したが、その後も笑いあっていたので、見守ることにした。


梅酒が終わり、凍った梅を取りに来たときに、マリーゴールドに確認してみた。


「マリーゴールドちゃん、何か嫌なことがあったら言うのよ?」

「え? あ、大丈夫でございます。婚約解消の説明をしておりました。良かったわねとおっしゃって、同意してくださいました」

「うん、無理しないでね」

「ありがとう存じます」


ユリがマリーゴールドと話していたので、リラが確認しに来た。


「ユリ様、マリーは何か言っていましたか?」

「婚約解消の説明をしたら、同意されたらしいわ」

「大丈夫そうですか?」

「大丈夫だと思うけど、私には貴族の微妙な機微はわからないのよね。帰る時又聞いてみましょう」

「ありがとうございます」


リラが離れると、少し離れていたラベンダーが近くに来て説明してくれた。


「ユリ様、あちらのグループは、マリーゴールド様を幼い頃からご存じのようでして、学園に来なかったことを心配していたそうでございます。悪意はないものと(わたくし)は思います」

「ラベンダーさんから見て、そうなの? なら、大丈夫ね。どうもありがとう」


梅ジュースも、3リットル瓶を使って氷砂糖だけで作っているので、あっという間に終わった。


「ユリー、キボー、てつだう?」

「希望者に時送りするの?」

「あたりー!」

「なら、聞いてみるわね」


前の台に立ち、全員に声をかけた。


「作った梅酒や梅ジュースには、内容と、制作者の名前と、作った日を書いてくださいね。それでですね。梅酒は最低でも3か月、梅ジュースは最低でも1か月置く必要がありますが、すぐに飲めるようにしたいと言うかたには、キボウ君が、時送りをしてくれるそうです。時送りをして貰いたい人は、瓶に名前を書いたあと、持ってきてください」


ほとんどの人が、時送りを希望した。


キボウの想定より瓶が多かったらしく、合計6回も時送りを行っていた。


「キボウ様、どうもありがとうございます」

「よかったねー」


「はーい。皆さん、梅ジュースだけですが、こちらを飲んでみましょう」


ユリが仕込んだものを、試飲として提供する。氷と冷水を用意し、割ってから渡した。


「美味しいですわ! こちらでゼリーを作りませんのこと?」

「ゼリーを作る場合は、少しだけゼラチン多めで作ってください。梅の実を沸騰させないシロップでゆっくり煮て、飾りに使うと良いですよ。梅酒で同じように作ると、大人のゼリーが出来上がります」


何人かが、メモを取っていた。


「ユリ様のお店で売られるのですか?」

「梅酒ゼリーは出す予定です。梅ジュースは、家内分しか仕込んでいないので、どうしようかなと考え中です」

「この梅ジュース、飲むとなんだか元気が出ますね」

「梅は、クエン酸と言う成分をたくさん含んでいるので、夏の疲れには良いと思いますよ」

「他に夏に良い飲み物はございますか?」

紫蘇(しそ)ジュースは、美容に良いらしいアントシアニンを多く含んでいますね」


紫蘇ジュースは、知っているらしい。ローズマリーが広めたのだろう。


パープル邸の管理畑には、今年も赤紫蘇が立派に育っているらしい。もう少し育ったら、分けてくれると言っていたので、楽しみにしている。


今日は、ランチはせず解散した。

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