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アルストロメリアのお菓子屋さん (本文完結済) ~ お菓子を作って、お菓子作りを教えて、楽しい異世界生活 ~  作者: 葉山麻代
6章

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泡立

「ユメちゃんとキボウ君が戻ってきたので、飲み物を飲み終わったら、試作を始めましょう」


急がせたつもりはないが、何人かが慌てて飲み干していた。


「作ってみたいゼリーがある人は、申し出てください」


ユリの言葉に一番早く反応したのは、なんとシーミオだった。


「はい! しーちゃんは、りんどじゅーちゅといちどみるちゅがいいでつ!」

「えーと、りんごジュースとイチゴミルクかしら?」

「はい。その通りです」


メリッサが肯定していた。


「では、りんごジュースのゼリーを作りましょう。他に希望はありますか?」

「キボー、あおぜーりー」

「キボウ君は、サファイアクリームソーダゼリーですね。他には希望有りますか?」

「ジンジャーエールのゼリーも食べ、じゃなかった、作りたいです」

「イポミアさん、ジンジャーエールのゼリーも作りますね」


他に意見はないようだった。


「では、食べたい人はお手伝いをしてください」

「はーい!」「はい」「はい」


ユリは、リラに配合を渡し、ジンジャーエールゼリーの用意をして貰うことにした。リラは今さらりんごジュースのゼリーの作り方は興味もないと思われる。


「ここに、リラちゃんに量って貰ったゼラチンが有ります。型から取り出すゼリーは硬く固めるため、ゼラチン10gで500mlの飲み物が固まります。器に入れたまま食べるなら、600ml~800mlくらいまでが適量です。ほどよく柔らかく食べやすい700mlを目安に作ります。りんごジュース700ml、グラニュー糖20g、ゼラチン10g、水50mlで皆さん作りましょう」


ユリが材料を指し示すと、驚いていた。


「え!? 私たちが作るんですか?」

「作ってみたいかと思ったんだけど、面倒なら私が作るわよ?」

「いえ、作ってみたいです!」


メリッサとシーミオ、イポミアとリナーリ、ユメとキボウが組になって、ユリの見本を見て説明を聞きながら作り始めた。


温めたゼラチン液を冷ましているときにリラから声をかけられた。


「ユリ様、準備終わりました」

「はーい。シロップにゼラチンも溶けてる?」

「はい」

「では、少し熱を抜いてから、常温の炭酸を静かに加えてゆっくり混ぜて、グラスに120mlずつ注いで貰える?」

「はい、120mlですね」


リラは120mlをいくつか量ると、その量に合わせどんどんグラスに注いでいった。


試作体験の3組には、グラスを7つ渡し、好きに注いで貰った。メリッサに量の目安を聞かれたので、110mlくらいと答えたが、7つのグラスの量を同じく揃えるのは大変だったようだ。


3組が7個仕上げるのと、ユリとリラがあわせて80個仕上げるのは、ほぼ同時だった。ジンジャーエールゼリーとユリの作ったりんごゼリーのグラスは厨房へ持っていき、冷蔵庫に入れた。3組の仕上げた21個は冬箱に入れ、キボウが「1じかーん」を2回かけてくれたらしい。


「出来上がったゼリーに、生クリームを絞ります。ユメちゃん、1つだけ見本に絞らせてね」

「構わないにゃ」


ユリは、ユメとキボウが作ったゼリーを1つ受け取り、生クリームでローズバッドを絞った。ユリが作っていた見本のりんごジュースのゼリーは、適当に冷蔵庫に入れたため、まだ固まっていないのだ。


「こんな感じだけど、好きに絞って良いわよ」


3組が楽しそうに生クリームを絞っている間に、ユリとリラは厨房に行き、残ったゼリー液を冷やし、とろみがついてきてから泡立て器で泡立てた。


「これを、ゼリーの上に素早く流し入れ、冷やし固めて出来上がりです。まとめて作ろうとすると固まってしまうので、ある程度の個数ずつ仕上げるつもりで作ってください」

「うわー! ビールみたい! はい、頑張ります!」


リラは楽しそうに仕上げをしていた。


仕上げを終えているものを11個だけ取り分け「ウカヤキエル」と、冷却の呪文を唱え、すぐに食べられるように冷やした。

3個は、冷蔵庫に戻し、8個を持ってお店に戻った。


「うわー! それなんですか?」

「これが、ジンジャーエールゼリーよ。見た目がビールみたいでしょ」

「これなら確かに、例え甘くなくても不思議がないですね」

「実際には甘味はあるんだけど、みんなが作ったりんごゼリー程は甘くないのよ」


キボウがユメに何か聞いているようだった。


「いつ食べられるにゃ?」

「どっちも食べられるわ。食べて良いわよ」


わいわいと試食をしていると、イリスとマーレイが来た。ユリは冷蔵庫から、ジンジャーエールゼリーと、冷却呪文を唱えたりんごジュースのゼリーと生クリームの絞り袋を持ってきて、イリスとマーレイにも提供した。


「遅くなりまして申し訳ございません」

「今日は自由参加だから、遅いとか無いわよ。あ、バラマドレーヌも食べてみてね」


リラが、イリスとマーレイにお茶を運んできた。


「リラちゃんはどうする? ここで食べていく?持ち帰ってから食べる?」

「数をいただけるなら、持ち帰ってから食べたいと思います」

「りんごゼリーは3個、ジンジャーエールゼリーは10個くらい持ち帰って良いわよ」

「ありがとうございます。今日は他には作りませんか?」

「もしかすると、サファイアクリームソーダゼリーを作るかもしれないけど、キボウ君がりんごゼリーで気が済めば作らないし、未定ね」

「帰りますが、何か作るなら呼んでいただきたいです」

「わかったわ」


リラは、持参した冬箱にゼリーを入れて、ベルフルールに帰っていった。


「ユリ様、作ったりんごゼリーはどうしたら良いですか?」

「器だけ返してくれれば、持ち帰って良いわよ。間違って割ってしまった場合は、気を付けて片付けてね。弁償は要らないわ」


それを聞いた途端、キボウが消えた。転移したらしい。


「ユメちゃん、キボウ君は何処へ行ったの?」

「世界樹様に持って行ったんだと思うにゃ」

「そっか、キボウ君の手作りだったわね」

「そういうことにゃ。次は、私が折りバラを教えるにゃ」


ユリは、2階の部屋に折り紙を取りに行った。折り紙の予備は、ユリのとなりの部屋においてある。

参加者が多そうだからと、少し多めに用意し、階段を下りてきた。


厨房に戻ると、ソウが帰ってきていた。


「あら、ソウ、おかえりなさい。ゼリー食べる?」

「ありがとう。結局何ゼリーを作ったの?」

「ジンジャーエールゼリーの、ビアゼリー風よ」


ソウに、ゼリー2種類と、お茶とバラマドレーヌを出した。

店を覗くと、ユメは先に折り紙教室を始めており、ユリも慌てて加わった。

いつもお越しくださり、誠にありがとうございます。

今さら気がつきましたが、前々回の予約投稿を1回間違って飛ばしていたようです。

お待ちくださっている方には、大変申し訳ございませんでした。

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