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アルストロメリアのお菓子屋さん (本文完結済) ~ お菓子を作って、お菓子作りを教えて、楽しい異世界生活 ~  作者: 葉山麻代
6章

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試作

全員がボールチャーハン希望だったので、ユリも同じ物を食べることにした。お手伝い4人の分も店に運んでいくと、ユリを見て話しかけてきた。


「ハナノ様! 先程いただいたゼリー! いつから販売ですか? 私、感動しました!」

「あれね、作ってみたかっただけで、販売予定は未定なのよ」

「え? なぜですか?」

「頭の中にあった物を形にしてはみたけど、まだ試作段階なのよ」

「あれが、試作」

「ゼリーの固さとか、甘さとか、見た目とか、調整してから販売するのよ。同じものをたくさん作らないといけないからね。きちんと配合を数字にする必要があるのよ」

「数字に、はい、確かにそうですね」


商売人なので、ユリの商売としての説明に納得していた。次は、目をキラキラさせたイポミアからだった。


「ユリ様、ルビーソーダも、ゼリーになりますか?」

「同じように作ればできるわね」 

「ジンジャーエールはどうですか?」

「作れなくもないけど、少しだけ難しいかもしれないわ」

「難しいのですか?」

「ゼリーとして固めてしまうと、飲んでいるものより甘さを感じなくなるからね、糖分を増やさなければならないのよ。でも、ピリッとした感じがジンジャーエールの特徴だと思うんだけど、お菓子って、甘い物だと思われているでしょ? 買った人はわかるかもしれないけど、貰った人は、食べてがっかりしてしまう可能性があるのよ」

「見た目にも、甘いゼリーではないとわかる必要があるということですか?」

「簡単に言えば、そういうこと」

「確かに難しそうですね」

「まあ、対策はあるから、今度試作品を作っておくわ」

「是非!試食させてください!!」

「ちゃんとみんなに食べて貰うわよ」

「やったー!」


昼食を食べ始めると、ボールチャーハンを初めて食べる4人は、とても喜んでいた。やはりユリとユメ以外がおかわりをし、皆、充分堪能したらしい。


「うちでも絶対出します!」

「ベルフルールでも出すのかい!?」

「ユリ様から教わり、完璧です!」

「絶対に食べに行くよ」


リラの宣言に、お手伝いのメンバーが歓迎していた。


「さあ、コーヒーゼリーとフルーツ宝箱。どちらを食べますか?」


数は半々くらいだった。唯一、答えなかったキボウに聞こうとそばに行くと、第三の選択だった。


「キボー、あお、ぜーりー!」

「サファイアソーダゼリー?」

「あたりー!」


すると他の皆も、食べたそうにしていた。


「残り5個だから、キボウ君とお手伝いの4人に食べて貰うわね。いつもの皆は、ルビーソーダゼリーと、ジンジャーエールゼリーの試食がいずれ待っているからね」


ユリの言葉に全員が納得したので、お手伝い組に提供した。


「ユリ様、いつ作りますか?」

「え? 試作の事?」

「はい!」

「イポミアさん、手伝ってくれるの?」

「良いんですか? 是非お手伝いしたいです!」

「なら、明日にでも試作する?」

「はい!」


「あ、私も手伝いたいです!」

「私も見に来て良いですか?」


リラとメリッサだった。


「構わないけど、せっかく休みなのに、良いの?」


何だかんだと、見に来たい人はどうぞと言うユリの言葉に、ほぼ全員が来る予定らしい。


その後、食べ終わった人から休憩に入った。



「ソウ、明日自分で買いに行こうと思っていたんだけど、試作を作る約束をしてしまったので、土曜日の朝までに、苺とキウイフルーツを買ってきて貰えないかしら?」

「それって、アルストロメリア会の分?」

「うん」

「それなら購入済み。俺の鞄に入ってるけど、ユリに渡そうか?」


ソウの午前中の予定は、この買い物もあったらしい。


「ソウ、凄いわね!」

「ローズマリーから依頼があったから、向こうに渡す予定でいたよ」


いつもは、噂だけで作りたいものを決めてくるので、具体的な材料が揃えられないことがあったが、今回は、屋敷の料理人が食べているので、細かく材料の指定が出来たらしい。


「あ、それから、初物や、他の果物も預かってるよ」


見せて貰うと、色々な果物が鞄に入っていた。


「うわー! これも使えるわね! ソウ、ありがとう」

「ユリが喜んでくれて良かったよ」


ソウが休憩に入り、ユリは外おやつを出してから休憩に入った。

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