表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アルストロメリアのお菓子屋さん (本文完結済) ~ お菓子を作って、お菓子作りを教えて、楽しい異世界生活 ~  作者: 葉山麻代
6章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

542/690

宝氷

フルーツ宝箱販売初日。


フルーツ氷の追加分として、ユリは製氷トレー1枚に付き1色を、6色分作っていた。トレーは96粒出来るので、昨日使い込んだ分を計算すると、50粒くらい不足すると考えたのだ。そして、今日の予定は、アイスクリーマー30回稼働だ。


分解洗浄してある部品を消毒しながら組み立て、アイスクリーマーもすぐに使えるようにセットした。


「これで良いわね」


パウンドケーキも仕込んだので、少し早めに2階に戻った。


「ユリ、おはようにゃ」

「おはよう、ユメちゃん。ずいぶん早いわね」

「アイスクリーム楽しみなのにゃ」

「みんなが揃ったら、まず食べてみましょうね」


ユメは、嬉しそうにニコニコしていた。


「ユリ、アイスの機械って、手で回す大きいの無かったにゃ?」

「有るわよ。手動のアイス箱ね。試作品タイプで、1回に、21~22個出来るわ」

「もう、使わないのにゃ?」

「作るものによっては、今後も使うわよ」


ユリが朝食を作りながらユメと話していると、キボウがどこからか帰ってきた。


「キボー、きたー」

「おはよう、キボウ君。どこに行っていたの?」

「はたけー」

「あ、いつも面倒みてくれて、ありがとうね」

「よかったねー」


珍しくソウが遅く起きてきた。


「もう朝ご飯の時間か。おはよう」

「ソウ、おはよう。昨日遅くまで起きていたの?」

「いや、考え事をしていたら、寝そびれた」

「ボトルコーヒーしかないけど、アイスコーヒー飲む?」

「ありがとう」


ユリはソウに、無糖のアイスコーヒーをだした。


「なーにー?」

「アイスコーヒーよ。そのまま飲むと少し苦いけど、飲んでみたいなら、シロップとミルクを入れると良いわ」


アイスカフェオレの牛乳割りを更に牛乳で割ったような、ほぼ白い状態に、たっぷりのシロップを入れてキボウに渡した。


「それ、ほとんど牛乳にゃ」

「1/8くらいかしらね。ユメちゃんも飲む?」

「半分くらいのをお願いするにゃ」


ユメにはアイスカフェオレとシロップを渡した。


「おいしー!おいしー!」

「ユリ、お店でコーヒーは出さないのにゃ?」

「私が飲めないから、コーヒーの美味しいがわからないのよね。だから、インスタントか、ボトルコーヒーなのよ」

「私も、コーヒーは、ほとんど飲まないにゃ。でも、コーヒーゼリーが食べたいにゃ」

「コーヒーゼリー良いわね! 今度作っておくわ!」


間違って買ってきた、加糖タイプのボトルコーヒーをゼリーにしようと、ユリは考えていた。甘すぎてソウが飲まないのだ。しかし、ユメとキボウのために封を切ってしまうと、大量に残ってしまう。


「ユリ、片付けはやっておくにゃ」

「ありがとう。仕事に戻るわね」


洗い物をユメに任せ、ユリは一人先に厨房に戻ってきた。セットしたタイマーがもうすぐ鳴ると言うとき、訪問者が来た。


「おはようございまーす! 魔動力機器コニファーでーす!」


ユリが対応しようとすると、ソウが駆けつけてきた。


「あ、ユリ、俺が見てくるよ」

「ありがとう」


そろそろオーブンを見る時間だったので、助かるわぁと、ソウに任せた。オーブンのタイマーが鳴り、パウンドケーキを取り出すと、声をかけられた。


「ユリ、真冬箱の貸し出し、何個要るの?」

「持ち運べる大きさの、割りと大きめを最低でも4つ、借りるか買いたいんだけど」


「大きめの貸し出し用は、6つ確保してあるって、どうする?」

「6つお願いします」.


「手伝いは何時から来れば良いかって聞いてる」

「朝から手伝ってお昼ごはんから食べるなら、9時以降11時迄に来て、販売だけ手伝って夕飯を食べるなら、12時半までに来てください」


話を付けてきたソウは、戻ってくると報告してくれた。


人は9時から来る予定で、魔動力機器コニファーと、トロピカル魔動力機器から2人ずつ出してくれるらしい。ありがたいことだ。


ユリはクッキー類を仕込み、ユメとキボウが手伝い、クロネコクッキーと、時送り・世界樹様のクッキーも仕上げた。ソウはパウンドケーキの納品に行き、さっさと帰ってくる予定らしい。


リラとマリーゴールドが、マヨネーズを作りにやってきた。


8時45分頃、魔動力機器コニファーと、トロピカル魔動力機器の4人がやってきた。荷馬車に真冬箱を積んで来てくれたようだ。


ユリが対応し、持参してくれた真冬箱の全てを、ささっと充填した。

せいぜい明日までしか使わないのに、ユリは6台ともフル充填してしまい、過剰魔力分のお支払を致します!と、魔動力機器コニファーの2人が慌てていた。貸し出し用は、遠出用の真冬箱らしく、そのまま2週間ほど使えるそうだ。一応ユリは、以前キボウに貰った木の実を食べて魔力不足を補ったが、そもそも最大値が30万p有るため、特に不足もしていなかった。


とりあえず、お店の椅子に座って貰い、メリッサやイポミアが来るのを待つことにした。


メリッサが、倉庫側から出勤してきた。学習したらしい。次に来たのはイリスだった。やはり倉庫側から来た。そのつぎに来たのはシィスルだ。やはり倉庫側の入口から入ってきた。更にそのあとに来たのはイポミアだった。店の入口から来て、今日も驚いていた。休みを挟んだら、すっかり忘れたらしい。


「大方揃ったので、説明を始めます」


ソウとマーレイがいないが、販売対応をしないため、あとで説明すれば良いと考えたのだ。ユメとキボウも話を聞きに来ている。


「午前中にするのは、フルーツ宝箱の仕込みと仕上げと袋詰めです。仕上げは、原色セットに深煎りきな粉、間色(かんしょく)セットに浅煎りきな粉を振りかけます」

「はい!ユリ様!」


イポミアが手を上げた。


「イポミアさん、どうぞ」

「原色セットと間色セットとはなんですか?」

「原色セットは、赤、黄、青の3色で、間色セットは、紫、緑、(だいだい)の3色です。具体的なフルーツは、原色セットが、赤イチゴ、黄マンゴー、青白桃(青染)で、間色セットは、紫ブルーベリー、緑キウイフルーツ、橙ミカンです」


全員がメモをしていた。


「仕上げが終わったものは、3種類をセットにして袋詰めし、お借りした真冬箱に入れ、外販売担当者に運びます。真冬箱に入らない分は、厨房で預かります」


真冬箱1箱に、60組(180個分)入るので、外販売予定数1200個は、ほとんど入り、厨房で預かるのは40組分だ。


「ユリ、試食はしないのにゃ?」

「そうね。食べてみましょう」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ