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アルストロメリアのお菓子屋さん (本文完結済) ~ お菓子を作って、お菓子作りを教えて、楽しい異世界生活 ~  作者: 葉山麻代
6章

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敬称

「おはようございま、うわー!!!」


メリッサが店の入り口から入ってきたらしく、店内を見て叫んでいた。


「おはようご、だれー!?」


時間差で、次に来たのはイポミアだ。メリッサと同じく、店側から来たらしい。


昨日も居たのだから、今日もいるかもしれないとは、思わなかったようだ。そういえば昨日は、メリッサやイポミアが出勤した後に、お手伝いを雇ったのだ。


リラが報告に来た。


「ユリ様、領主様のお屋敷の料理人さんと、お城の料理人さんは、教えなくても作れるようでした」

「あー、そういえば昨日、笹と藺草(いぐさ)を持ち帰っていたわ」

「そうなんですね。あと、セリとカンナに粽を渡し、帰しました」

「ありがとう。帰りに賃金を渡すから、あなたから渡しておいてね」

「はい。ユメちゃんとキボウ君には、3つ入り2袋と、54個と、きな粉を渡しておきました」

「あなた、本当に有能ね。感心するわ」

「えへへ」


ユメとキボウは、出掛けたらしい。


「粽どうする? 作る?」

「私も少し作ってから、他の仕事をしようと思います」


リラは、シィスルの横で作り始めた。


「うわ、リラさん速い」

「でも、ユリ様には全然追い付かないよ」


「この短時間で追い付かれたら、私の立つ瀬がないわよ」


メリッサとイポミアも作りはじめ、皆で速さを競っていたが、昨日半日作り続けたメンバーより、リラは速かった。


今日もイリスは、早目に来てくれた。イリスは店に入る前に、店内に人がたくさんいるのを見て、倉庫側の入り口から入って来たらしい。


「さすがイリスさん、店内を通らなかったんですね」

「成る程、倉庫側から来れば良かったのかぁ」


メリッサとイポミアが、イリスに感心していた。イリスは手を洗うと、そのままメリッサとイポミアのそばで粽を作り始めた。


「あ!そうだ、リラちゃん、昨日マリーゴールドちゃんにも少し話したんだけど、お肉の手動スライサー用意したわ。後で確認してね」

「ありがとうございます!」


話を聞いていたイポミアが、質問してきた。


「ユリ様、それはなんですか?」

「手動スライサーのこと?」

「はい」

「うちでたまに薄いお肉の料理があるわよね? それを作る機械ね」

「え、リラの、いえ、リラさんのところでも薄いお肉の料理が出ると言うことですか?」

「出るかどうかは、リラちゃんの判断だけど、出せるようにはなると思うわ」


少し驚くイポミアに、リラが笑いながら言った。


「ミア姉、気持ち悪いから、『リラ』で良いのに」

「いや、一応先輩かと思って。でも、気持ち悪いは酷いじゃない」

「じゃあもし、メリ姉より先に携わることになって、メリ姉から『イポミアさん』って呼ばれたら、どう?」

「あははー。それは確かに、気持ち悪い」


リラとイポミアの話に、呆れたと言わんばかりのメリッサが、口を挟んだ。


「あなたたちねぇ。仕事の時は、○○さんって呼べば良いのよ。気持ち悪くない。公私の区別はつけるべきよ」

「はあい」「はーい」


メリッサが、リラとイポミアを叱り、ユリとシィスルは、笑っていた。

マリーゴールドが、報告に来た。


「ユリ様、きな粉の袋が無くなりました。在庫は何処にございますか?」

「外倉庫の高い棚の上だから、ソウかマーレイさんしか届かないのよ」

「私が見てきまーす」


ソウの次に背の高いリラが名乗り出て、小さめのジッパーバッグを取りに行った。リラなら、安全な低めの台にのっても届くことだろう。


少しすると、いくつかの箱を持って戻ってきた。


「ユリ様、この大きさでよろしいでしょうか?」

「あ、それじゃなくて、箱が桃色の一番小さいジッパーバッグ無かった?」


そこへ丁度マーレイが来たら、ユリに納品物を確認する前に、リラに連れていかれてしまった。

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