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アルストロメリアのお菓子屋さん (本文完結済) ~ お菓子を作って、お菓子作りを教えて、楽しい異世界生活 ~  作者: 葉山麻代
6章

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粽笹

「リラちゃん、待っていたわ」

「なにかありまし、あ!大きい竹の葉! えーと、笹でしたっけ、何作っているんですか?」

(ちまき)よ。明日作ってもらうわ」


リラは、ユメの手元を覗き込み、頷いていた。

ユリは、冷凍庫からズコットを出してきた。


「これ、フルーツズコット。4~5時間、冷蔵で解凍してから切り分けてね」

「うわ!凄いですね!」

「あとこっちは、内緒の、本格的ズコット。食べ方は同じよ」

「今日のデザートですか?」

「これ、特注品なのよ。味見したいかと思って。それで、今から納品に行くから、マリーゴールドちゃんに、30分くらい頼もうと思ってね」

「あ、なら、私も少し残ります。今日は、割りと暇なので」

「え、無理してない?」

「無理してません。ついでに、粽の作り方教えてください」


「笹をコロネ状に三角に丸め、餅米を入れます。下の方は入りにくいので、箸で少し詰め込むようにザクザク刺してほどよく詰め込みます。一番低いところ、笹の合わせ目の上まで餅米を詰めたら、もう一枚笹を使って、蓋をします。被せて後ろに折り曲げるようにたたみ、藺草で紐かけをして出来上がりよ」

「ちょっと作ってみます」


シィスルも覗きに来て、リラに教わり作ってみていた。

ユリは、持っていく分のズコットを杖で収納し、ワンピースに着替えて戻ってみると、リラは見事に粽を作っていた。


「あなた、本当に器用ねぇ」

「ユメちゃんに、コツを教わりました!」

「紐かけは教えてないにゃ」

「ホシミ様のを見て覚えました」


そこにマリーゴールドが来て、リラが作っているのを見て驚いていた。

メリッサとイポミアも出勤して来たようで、皆集まってきた。


ユリは簡単に説明したあと、ソウとキボウと3人で転移した。


「キボウ君、先にお城でごめんね」

「だいじょぶ、だいじょぶ」


ソウが鳴らしてくれたベルで、サンダーソニアが直接迎えに来た。


急いでいると断りを入れ、簡単な挨拶をしたのち、2種類を一つずつ渡し、解凍方法や、切り方を説明した。


「なんと言う名前なのでしようか?」

「これはズコット。味のおすすめ的には、少し地味だけど、こっちなのよ。フルーツのは派手だから、見映えはするけどね」

「このお花は、食べられるのですか?」

「生クリームで出来たバラよ。もちろん食べられるわ」


サンダーソニアは、素敵!と呟き、喜んでいた。


「どうもありがとうございます」

「それで、カンパニュラちゃんのおやつを、いつもユメちゃんとキボウ君が持ってくるでしょう? ユメちゃんにはお店番をしてもらっているから、申し訳ないけど、カンパニュラちゃんに渡しておいてくれるかしら?」

「かしこまりました」


ユリは、フルーツズコットを更に6つ取り出し、サンダーソニアに渡した。


「バタバタで悪いけど、帰るわね」

「どうもありがとうございました」


サンダーソニアは深々と頭を下げた。

ユリは、ソウとキボウを連れ、世界樹の森の前に転移した。


「キボウ君、少し大きいけど、真冬箱を持っていける?」


ユリは、ズコット2種が入っている真冬箱を取り出した。

キボウが持ち上げようとしてみたが、引きずってしまう。


「キボウ君、中身を1つずつ、持っていく?」

「わかったー」


キボウは、ユリの手紙と、ズコットを1つ持って行った。

すぐに戻ってきて、もう1つのズコットも持って行った。


戻ってきたキボウは、手紙を持っていた。


「キボウ君、どうもありがとう」

「ユリー、これー」


手紙を渡された。すぐに読んでみると、丁寧なお礼が書かれていた。ソウにも手紙を渡し、読んでもらった。


「無事納品が終わって、良かったわ」

「ユメが大変だから、さっさと帰るか」

「かえる、かえるー」


キボウが、ユリとソウを連れ、家のリビングまで転移した。


「キボウ、凄いな。俺の結界って、通り抜けるの簡単なのか?」

「? キボー、まけたー。ばしゃ、ガタゴトー、てんいー、まけたー」

「あー、そんなこともあったな」


仲良く話しているソウとキボウを残し、ユリは急いで着替え、厨房に戻った。


「ただいまー。リラちゃん、どうもありがとう」

「あ、ユリ様、おかえりなさい。餅米がなくなりました」

「えぇー!何個作ったの?」

「マリーも、シィスも、メリ姉も、ミア姉も作れるようになったので、えーと、何個? ここにあった笹の残りが、あと4枚です」


笹は300枚出してあったのだ。つまり、合計148個出来たことになる。


「あ、ユリ、おかえりにゃ。笹はわかったけどにゃ、餅米がどこかわからなかったにゃ」

「ユメちゃん、どうもありがとう。餅米は内倉庫よ。持ってくるわ」


ユリは、クラフト紙製の米袋に入った餅米を持ってきた。


「リラちゃん、どうもありがとう。ズコット2種、持っていってね」

「ありがとうございます! 食べるの楽しみです!」


シィスルと1つずつ持ちながら、ベルフルールに戻っていった。


「粽、作るのが大変だから、店内サービスのみにしようと思っていたんだけど、みんなが作れるなら、持ち帰り分をつくって販売しようかしら? まだ作る気力ある?」


ユリが意見を聞くと、イポミアが手を上げた。


「はい!作りたいです なんか面白かったです」

「私も作りたいです」


メリッサも作りたいらしい。

ユリがマリーゴールドを見ると、答えた。


(わたくし)も作りたいです。リラさんより早く作れるようになりたく思います」


いつのまにか来たらしいソウとキボウも、引き続き、手伝ってくれるらしい。


「なんとか紐も出来るようになったにゃ。リラが居ない内に、リラを越すのにゃ!」


ユメもやる気があるらしい。


「では皆さん、お願いします!」


ユリは、笹と藺草を茹で、餅米を研いだ。

餅米の吸水のため、キボウに時送りしてもらった。

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