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アルストロメリアのお菓子屋さん (本文完結済) ~ お菓子を作って、お菓子作りを教えて、楽しい異世界生活 ~  作者: 葉山麻代
6章

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予測

あっという間に時間が過ぎていく。


「鶏丼、いくつ出来た?」

「鶏丼合計94、半鶏丼600越えです」

「あー、器の返却がまだなのね」

「お手伝いの方が食べ終わった器も洗って使っています」


「ハナノ様ー」


そこへ、手伝いの男性が、貴族の成りをした男性を連れてきた。


「俺が出てくるよ」

「ちょっと見てくるにゃ」


ソウが対応してくれるらしい。ユメも付いていった。


「ユリ様、サクラムースの仕上げ終わりました。鶏丼手伝います」

「リラちゃん、よろしくね」


ユリは、焼いた鶏肉を切りながら指示を出していた。

お店ではエルムが、今日手伝っている部下の男性と、ちょうど鶏丼を食べていた。


しばらくして戻ってきたソウは、「スマルトブルー男爵家だったよ」と言って、代金を受け取ったと報告してきた。

とても感謝しているらしく、提示した額の数倍払おうとするのを、多すぎる支払いはユリがいやがるから、たくさん払いたいなら使用人へのお土産でも買って帰ったら良いと助言したらしい。


「それで、ユリ、出して良いものはある?」

「サクラムース出来ているからそれでも良いし、パウンドケーキでも良いし、有るものなら出して良いわよ」

「なら、サクラムースを10個」


サッとリラが箱詰めし、ソウに渡してくれた。

ソウは店に行き、サクラムースを渡し、戻ってきた。


あれ?一緒に行ったユメが帰ってこない?と思っていたら、少し疲れた感じのユメが戻ってきた。


「ユメちゃんどうしたの?」

「なんでもないにゃ」


返して貰った丼椀と、オードブル用の大皿を、ソウは洗ってくれ、鶏丼の不足分も作り、少し12時を過ぎて、昼ご飯の時間になった。


「はい、お昼ごはんは、鶏丼か、とろけるチキンカレーか、ピザトーストを選べます」

「俺、カレー」

「カレー食べるにゃ」

「かれー、かれー」

「ソウ、ユメちやん、キボウ君はカレーね。他のみんなはどうします?」


「カレーにします!」

「カレーをお願いします」

「カレーをお願いします」

「カレーをお願いします」

「リラちゃん、メリッサさん、イリスさん、マーレイさんはカレーね」


「イポミアさんはどうするの?」

「あ、えと、皆さんカレー?なのですね。私は鶏丼が食べたいのですが、でも、他のも食べてみたくて迷います」

「なら、半鶏丼と、ミニカレーと、ピザトーストを少し食べたら良いわ」

「え!そんなことが可能なのですか!?」

「構わないわよ?」


半鶏丼は1/2、ミニカレーは1/3、ピザトーストを少し食べると1人前くらいになる。

ユリは、自分用にピザトーストを作り、イポミアに1枚の1/3程を分けた。

飲み物は、リラがみんなの分を作ってくれていた。


「リラちゃん、飲み物は何を作ったの?」

「ホシミ様が、カレーにはラッシーだとおっしゃっていましたので、以前教えていただいたラッシーを作りました」


手作りラッシーは、ヨーグルトを牛乳で割って、好みでシロップを足したものだ。牛乳の割合を変え、シロップをマンゴージュースに変えると、マンゴーラッシーになる。


「どうもありがとう。普通のシロップの代わりに、イチゴシロップを使っても良いわよ」


たった今、シロップを入れようとしていたユメの手が止まった。


「キボー、いちご・・・」


キボウはすでに普通のシロップを入れてしまった後だったらしい。ユメが何か責任を感じたのか、取り替えようとしていた。


「あ、キボウ君、私のと変えてくれる?」

「ユリ、ありがとー!」


キボウは、イチゴシロップをたっぷり入れて、満足そうだった。


「ユリ、他には何が合うの?」

「ヨーグルトドリンクの味として考えれば、フルーツならなんでも合うんじゃないかしら?」

「あ、そうか。ヨーグルトドリンクだったな」


「ユリ様、黒蜜入れても良いですか?」

「リラちゃん、有るものなら使って構わないわよ」


リラは自分のラッシーを小分けにして、厨房に有る色々なものを入れ飲んでいた。


ユリはキボウから引き取ったラッシーを飲んでみた。予想はしていたが、激甘だった。甘すぎて躊躇していると、ソウが半分引き取ってくれた。


色々飲んでいたリラによると、イチゴシロップ、レモンシロップ、生クリームは美味しかったけど、バタフライピーシロップは、色が美味しそうではないのに味は普通のシロップで、つまらなかったと言っていた。きれいに発色せずくすんだような色になったらしい。


「ジャムより緩いフルーツソースを作れば、簡単に色々な味に出来るわよ。あとは、ミキサーで缶詰または冷凍フルーツに砂糖を加えて砕いてしまえば良いわ」

「そんな方法が!」


リラは何か計画しているようだ。一応、ユリは釘を刺すことにした。


「ねえ、リラちゃん。今日は止めてね?」

「え? あ、はい」


ただでさえ、販売がパニックなのに、目新しいものを出したら大変だ。


全員が食べ終わり、13時まで休憩に入った。

リラは、ユリに断り、普通のポップコーンを作ってから、ベルフルールへ休憩しに行くそうだ。あちらには軽い鍋がないらしい。


ユリはその間に、外おやつを置きにいった。

早朝作っておいたもので、昨日の鶏照り焼きのカットで余った分を細かくした具を入れたお握りだ。お茶はソウが一緒に持ってきてくれたが、ユリはお礼を言われたりして、少し戻るのに時間がかかった。厨房に既にリラの姿はなく、ソウが待っていた。


「あ、ソウ、これと同じ鍋、」

「買ってきてあるぞ」

「えー!」

「俺も、作り方は知ってるからな。リラが要らなければ、ユリが予備でしまっておけば良いよ」


ソウの先読みに感心したユリだった。

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