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アルストロメリアのお菓子屋さん (本文完結済) ~ お菓子を作って、お菓子作りを教えて、楽しい異世界生活 ~  作者: 葉山麻代
6章

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限定

今日は、鶏丼お持ち帰りの日。

ユリの予想では、300食用意すれば、いくらなんでも足りるだろうと考えていた。仮に余っても、明日売れば良いので安心だ。

1人前換算で300食なので、店内飲食予定分の100食以外は、半分量の持ち帰りで、400個分だ。ココナツ食器店からは、追加の器を既に納品済みである。


鶏モモ肉の照り焼き、鶏挽き肉のそぼろ、玉子焼き、茹でた絹サヤ、ご飯。

前回と少し違うのは、炒り玉子だったのを、玉子焼きに変えたことだ。数が多いので、盛り付けの手間を少し減らそうと考えたのだ。

鶏モモ肉をタレに漬け、朝からオーブンで焼いていた。


「おはようございます。ユリ様、ココナツ食器店のニウさんがおみえです」


倉庫側の入り口から、マリーゴールドがやってきた。外にココナツ食器店の馬車が来ているらしい。


「マリーゴールドちゃん、おはよう。ちょっと外見てくるわ」


ユリは外に出てみた。追加納品の予定数は既に受け取っているので、来た理由が分からない。


「ハナノ様、おはようございます。お呼び出ししてしまい大変申し訳ございません」

「おはようございます。それは良いけど、何かありましたか?」

「はい。持帰りお弁当が、制限があると伺いまして、何人が並べば、従業員分を入手できるかを教えていただきたく、参りました」

「何人分欲しいのですか?」

「最低でも5人分、叶うのならば、8人分欲しいのです」

「5と8の違いはなんですか?」

「従業員5人と、私と私の妻子で3人分です」

「ご存じの通り、持帰り用は半量なんですが、それで良いなら8食分用意しますけど」

「はい!もちろんそれで構いません」

「では、お店開始前の12時頃に、納品用の荷馬車で、こちら(裏口)に取りに来てください」

「よろしいのですか!?」

「従業員が並んでしまったら、仕事にならないと思うわ。うふふ」

「ありがとうございます!」


意気揚々とニウは帰って行った。

ユリはふと考えた。もしかして、他の出入り業者も来るのかしら?

店に戻り、マリーゴールドに相談することにした。


「マリーゴールドちゃん、今日、300食の予定で、店内100の、持帰り400と考えているんだけど、足りると思う?」

「お一人様のお持ち帰り可能数はおいくつですか?」

「飲食していくなら、2で、持帰りのみなら4と考えているわ」

「総数は、2人前なのですね。(わたくし)の考えではございますが、少し足りないと思われます」


マリーゴールドと相談していると、メリッサがやってきた。


「おはようございます。既に外で並ばれているかたがいらっしゃいますね」

「ええー!まだ9時前なのに。あ、おはよう」


そっと見に行くと、ドアの前に二人並んでいた。

メリッサにも同じ説明をすると、やはり、足りないと思うと言われた。


「おはようございます」


イリスも早く来たらしい。

なんと、イリスは並んでいる人と知り合いらしく、話を聞いてきたと、話し出した。


お店が13時開店なのは、ちゃんと理解していて、家族分を買って帰りたいから並んでいると話していたらしい。


「イリスさん、その方達って、信頼できる方かしら?」

「はい。よく知っている人なので安心です。何か頼まれるのでしたら、快く請け負ってくれると思います」


ユリは自分の考えを3人に話すことにした。


店の前に長蛇の列で並ばないように、整理券を配ろうと思うこと。

整理券には、引き取り可能時間を記し、客を分散させる目的であること。

おおよその必要数が先に把握できるので、仕込みの予定がたてやすいこと。


ユリの案に、3人が素晴らしいと言い、即賛成した。


「ちょっと整理券作ってくるから、待っていてね。何か仕事するなら、仕事開始した時間をしっかり覚えておいて後で教えてね。絹サヤのカットと、オーブンの鶏を取り出すのをお願いします」

「はい」「はい」「はい」


ユリは、部屋で書類整理をすると言っていたソウを呼びに行った。


「ソウ、部屋にいる?お願いがあるんだけど」

「居るよ。入ってー」


ドアを開けると、床に広げた たくさんの書類を選り分けているソウが目に入った。


「忙しそうな所ごめんね。既に並んでいる人がいるから、整理券を配ろうと思うの」


まだ9時前なのだ。


「へえ。こんな時間から並ぶんだ。どんな感じのを作るの?」

「30分、もしくは、1時間区切りで、受け取り可能時間を記して、並んでいる人に配れば、買って帰りたいだけの人に親切かなぁって思って」

「良い案だけど、その券は誰が配るの?」

「今並んでいる人が、イリスさんの知り合いらしくて、たぶん引き受けてくれるらしいの」

「そこまで決まっていて、お願いは何?」

「整理券を作るか、私が作ったのをコピーしてきて欲しいんだけど」

「了解。俺が作るよ。30分刻みで、何個製造可能なの?」

「作るのは問題なくて、売るのが、最初に200個、以降、1時間ごとに、100個くらいの予定なんだけど、そのうち店内で毎時15食は出ると考えて、持帰りは半量だから、えーと、」

「最初に200個、以降1時間ごとに100個、店内分100人前で券作るから、不必要な分をユリが引き抜けば良いよ」

「ソウ!ありがとう!」


身内飲食分   10食(賄い)+8食(ベルフルール分)

12 ~ 14時 200個 15食(予備7食)

14 ~ 15時 100個 15食

15 ~ 16時 100個 15食

16 ~ 17時 100個 15食

17 ~ 18時 100個 15食


店内分等100食で、合計400食分と、ユリは考えた。当初の1.3倍だ。

最初に200食なのは、ユメとキボウが取りに来る予定の世界樹の森の分と王宮に持っていく分や、ココナツ食器店の注文分等を含んでいる。

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