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アルストロメリアのお菓子屋さん (本文完結済) ~ お菓子を作って、お菓子作りを教えて、楽しい異世界生活 ~  作者: 葉山麻代
6章

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「ユリ、外を確認してきても良いにゃ?」

「水やり?」

「チューリップとバタフライピーとローゼルに、水やりしてくるにゃ」

「一緒に手伝うわ。何時も任せちゃってるからね。どうもありがとう」

「俺も見に行くよ」


結局、全員で畑を見に行くことになった。


キボウが植物の様子を見ながら、ユメに、水の量などを次々指示していた。


「すこしー、いっぱいー、えいよー、すこしー」

「待つのにゃ、栄養が足りない鉢の水はどうするにゃ?」

「いっぱいー」


「これは、私たち役立たないわね」

「キボウ、凄いな」


役立ちそうもないので、空いているじょうろに、水を汲んでくる手伝いだけをした。



「おはようございます。皆さんお揃いで、畑の世話ですか?」

「あら、リラちゃんおはよう。どうしたの?」

「細工寿司の本を借りたのを置いて行ってしまったので、取りに来ました」


「これから出掛けるから、倉庫側から出入りしてくれる?」

「はーい。どこに行かれるんですか?」

「花見よ」

「へえ!素敵ですね」


リラは、休憩室から細工寿司の本を持って戻ってきた。


「リラも一緒に行くにゃ?」

「いっしょ、いっしょー」

「私もご一緒して良いのですか?」


「構わないわよ。あなたもお休みなんでしょ?」

「ありがとうございます!本を置いて、少し着替えてきます!」


リラは全速力で走っていった。80mくらいある。

わ、若いわ。

ユリは感心した。


「ソウ、私を先に連れていって、一緒に戻ってきましょう」

「あー、成る程な。それで、俺がユメとキボウを連れて、一緒に行くのか」


ソウは、ユメとキボウに何か告げてから、ユリをどこかの庭園の前に連れてきた。とりあえず、花は見えない。

[oiaroino oi olicine]と、文字が消えかけ、かなり読み難くなった看板に書いてある。きちんと読み取れないためか、文字が翻訳されなかった。


オイアロイノオイオリシン?って何かしら?


「場所覚えたら、戻るよ」

「はーい」


ソウが転移で戻ったのは、店の横ではなかった。

あら?と、辺りを見回すと、そこは、ベルフルールのそばだった。


「ユリ、お帰りにゃ」

「おかえり、おかえりー」

「ただいま。ソウ、頭良いわね!」

「リラが死ぬ気で走ってたからな」

「確かに」


どうやら、転移前にユメとキボウに告げていたのは、この場所に戻ってくると言う打ち合わせだったらしい。店の前で待てば、着替えたリラは、再び全速力で走ることだろう。


少し待つと、慌てふためいた様子のリラが出てきて、皆を見て驚いていた。


「こちらまで来てくださったんですか!?」

「そうしないと、あなた、全速力で走るでしょ?」

「ありがとうございます!」


リラの格好は、シックな感じのワンピースと、布製の袋だった。ユリの服装に合わせたらしい。

ユリも、飾り気のない長めのワンピースを着ている。


「リラさんをよろしくお願いします!」


弟子二人まで、見送りに出てきた。

ユリは、リラの弟子二人に説明することにした。


「遅くとも、夕方までには戻ってくる予定よ」

「はーい」「はい」


何やら弟子二人が、リラを見てニヤニヤしている。

なんだろうと思ったが、リラの慌てぶりが面白いのかと思い、気にしないことにした。


「あ、そうだ。これ、お弁当の、袋サンドイッチよ。おやつにでも食べてね」


ユリは、ユメと話しているリラに見えないように、シィスルとマリーゴールドに、2組渡した。


「ありがとう存じます」「ありがとうございます。やっぱりだ」


二人はにこやかに笑い、持っていた布をかけていた。


「ユリ、先に行く?」

「そうするわ」


「リラ、ユリに掴まって」

「はい!」


ソウに呼ばれ、ユメとの話を止め、リラはユリのそばに来た。


「しっかり掴まってね」

「はい!」


ユリは一足先に、転移した。

すぐあとを、ソウがユメとキボウをつれ、転移した。

500話らしいです。


リラの弟子が笑っていた理由は、「クロネコのユメ」の方で書いています。

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