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アルストロメリアのお菓子屋さん (本文完結済) ~ お菓子を作って、お菓子作りを教えて、楽しい異世界生活 ~  作者: 葉山麻代
6章

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497/690

完了

カンパニュラのお使いの騎士と入れ替わるように、マーレイが来た。

ユリが時計を確認すると、9:30だった。マーレイの予告より大分早い。


「マーレイさん、飲み物でも飲んで、少し休んでから開始してください」

「ありがとうございます」


マーレイは走って来たのか、息が切れているようなので、少し休ませることにした。


「ユリ、私も手伝うにゃ。何をしたら良いにゃ?」

「海苔巻き巻くなら、藤か外おやつで、巻かないなら、箱の組み立て、違うのがよければ、菊が、まとめるだけで出来上がるわよ」

「それ、作ってみたいにゃ!」

「では、海苔の巻いてある細い玉子焼きを8本、挽き肉入り茶飯の海苔巻きを1本、これらをまとめて一つに巻いてください」

「やってみるにゃ!」


リラは引き続き、薔薇巻きを作っていた。

ハムを並べ、少しまだらにマッシュポテトをのせ、葉っぱに見えるように胡瓜を2つ配置し、まとめる。外側は海苔と酢飯なので、現時点では、これが一番難しいかもしれない。


ユリは、梅用の赤い細巻きを合計250本作る予定だ。


少し休憩したマーレイが、何をしたら良いかと聞きに来た。


「ハナノ様、何をすればよろしいでしょうか?」

「箱を組み立てるか、藤か、外おやつか、梅の細巻きか、もしくは、作ってみたい巻物を手伝うのでも良いですよ」


マーレイは回りを見渡し、進みが遅い藤を手伝うことにしたらしい。合計300本なので、イリス一人では、絶対に終わらない。


全員がもくもくと巻いていた。

10時過ぎ、シィスルとマリーゴールドがやって来た。


「おはようございます」「おはようございます」

「シィスルちゃん、マリーゴールドちゃん、おはよう」

「あれ?皆さんいらっしゃるんですね。というか、もうほとんど終わってるんですか!?」

「みんな早くから来てくれてね。うふふ」

「どこをお手伝してもよろしいのでしょうか?」

「はい。良いですよ。今作っている人は、交代して少し休憩すると良いです」


ユリが超スピードで梅の細巻きを量産し、半分を過ぎた頃、リラが手伝いに来た。薔薇巻きが終わったようだ。

次にソウとキボウが、緑の生春巻を巻き終わり、そのつぎに、ユメが菊を終わらせた。


マーレイが、外おやつのツナマヨ巻きに移り、藤を、ソウとユメが手伝い始めた。

キボウはシィスルに箱を出してきてもらい、組み立ててくれるらしい。


「箱は200組、作ってください」

「わかったー」


色々な巻物を手伝っていたシィスルとマリーゴールドも、箱を組み立ててくれるというので、お願いした。


「そういえば今日のお昼ご飯は、細工巻きを食べますか? それとも、鞄にある他の食事を食べますか?」

「ユリ、鞄に何があるの?」


ソウが、代表して聞いてくれた。


「とろけるチキンカレー、牛丼、カツ丼、親子丼、タコライス、ホットドッグ、ピザトーストユメスペシャル、フレンチトースト、チキングラタン、玉子スープがあるわ。シィスルちゃんとマリーゴールドちゃんも食べていくでしょ?好きなのを選んでね」


「はい!ありがとうございます! 今の一覧で、聞きなれないものがありました。ギュウドンとはなんですか?」

「薄切りの牛肉と玉葱を醤油ベースのタレで煮た丼ものです」

「是非、それを食べてみたいです!」

「えーと、6人前あるから、食べたい人、手を挙げてー!」


手を挙げたのは、シィスル、マリーゴールド、イリス、メリッサ、ユメだった。


「ソウ、キボウ君、マーレイさん、リラちゃんは、どうする?」

「俺は、カツ丼で」


ソウはカツ丼らしい


「キボー、まきまき!」

「ん?今作っている、細工巻き?」

「あたりー!」


キボウは、細工巻きが気に入ったらしい。


「あの、余っているようでしたら、私もギュウドンをお願いします」

「はい。大丈夫ですよ」


マーレイは、牛丼に決まった。


「ユリ様は、何を召し上がるのですか?」

「親子丼を食べようと思っているわ」

「では、私も同じものを!」


リラはユリの真似で、親子丼希望らしい。


巻物のほとんどに目処がたち、ユリはカットを始めた。


「ユリ様、カットを教えてください」

「え、したことなかった?」

「売り物はないです」


リラがカットを聞きに来たので、見ていてわかっていそうだとは思いながらも、教えることにした。


「ご飯粒が包丁につくと、綺麗に切れなくなるので、濡れ布巾で刃を拭きながら、まな板に対し垂直にかまえ、刃を引くように下ろします。ただし潰さないように注意して切ってください。刃がふらつき斜めになると、海苔巻きの断面が斜めになります」

「上手く六等分するコツはありますか?」

「半透明の薄いまな板の下に、均等な線を引いた紙などを挟んでガイドにすると良いです。全て均等ではなく、端の2つが若干大きくなるようにすると、巻きの端の海苔の縮んだ分にバランスが合うと思います。練習で切るなら、外おやつ用を切ってみたら良いわ」


リラと、シィスルと、マリーゴールドが、交代しながら外おやつのツナマヨ巻きで、カットの練習をしていた。


「少し慣れたのなら、藤か梅を切ってみる?」

「どちらがおすすめですか?」

「梅の方は、若干ずれても大丈夫だけど、藤は、ずれると左右の花に段差が出来るわ」


リラたちが藤も梅もカットする意気込みなので、ユリは、外おやつのツナマヨ巻きをカットし、途中で、薔薇と菊も緑も教えるのだった。


「薔薇も菊も、そんなに注意事項はないけど、柔らかいので潰さないようにだけ注意してください。緑だけは、刃物が温かいとゼリーが溶けるので、必ず冷えている刃物を使って切ってください」


カットはユリも手伝ったが、なんと細工巻き300食は、午前中に全て作り終えたのだった。

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