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アルストロメリアのお菓子屋さん (本文完結済) ~ お菓子を作って、お菓子作りを教えて、楽しい異世界生活 ~  作者: 葉山麻代
6章

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三百

「ユリ、おはよう」

「ソウ、おはよう。どうしたの?」


厨房でユリが今日の準備をしていると、ソウが来た。

今日の配達は、早朝一件と言っていたが、まさか6時前に行くとは思えない。


「明日、又、花見に行かない?」

「あら良いわね。今度は何を見に行くの?」

「藤か、ネモフィラ」

「あら素敵!」

「巻き寿司のお弁当見て、思い出したんだよね」

「藤、入っていたわね。うふふ」


二人で話し合ってはみたが、ユメの意見を採用することにし、とりあえず配達に行ってくるとソウは言って出かけていった。


ユリは気になって時計を確認したが、やっと6時になったところだった。

まさか、朝食前に配達に行くなんて。


今日の準備を終わらせ、2階に戻り、朝ご飯の用意を始めると、ソウが戻ってきた。


「おかえりなさい。こんな時間にどこに配達だったの?」

「ソウビさんのとこ」

「(パウンドケーキの)在庫まだある?」

「今週分は大丈夫だよ」


ソウは思い出したかのように、ユリに質問した。


「そういえばユリ、運転の許可証、更新しなくて良いの? もうすぐ4月終わるけど」

「あちらで私が車を運転することは、今後無いと思うのよね。それに、ソウが居ない状況で運転はあり得ないわ」

「まあ、確かに」


あまり必要はないが、ソウは運転免許証を更新している。

あちらでの身分証明に便利だからだ。許可証と免許証の違いは、全自動の乗り物に指示をする資格の許可と、ガイドがない道も走ることができる自動車を運転する免許の違いだ。殆どの人は、許可証しか持っていない。


「向こうでソウが居ないときに困ったら、カエンちゃんを頼るわ」

「それもそうだな」


朝ご飯が出来上がり、ユリはユメを起こしに行った。

コンコンコン。


「ユメちゃん、朝ご飯食べられる?」

「起きてるにゃ。今行くにゃ」


戻ってくると、キボウは席に座り待っていた。

キボウはいつ起きていて、いつ寝ているのか、いまいちわからない。

ユメが来て、皆とおはようの挨拶をした。


「さあ、食べましょう。キボウ君、今日はイチゴババロアを持って行けるわよ」

「ユリー、ありがとー」


食べながら、ソウがユメに、藤かネモフィラを見に行かないかと聞いてくれた。

ユリとソウの予想通り、ユメは両方見たいと言い、明日は、お弁当を作って出かけることになった。


「キボー、いってくるー」


キボウにイチゴババロアを15個渡すと、そのままユメに渡し、ユメがリュックにしまっていた。


今日も忙しいことが目に見えているので、ユリは急いで片付けると、そのまま仕事を始めるのだった。


「ユリ、何を手伝えば良い?」

「ソウ、食休みしないの?」

「ユリもしてないだろ?」

「まあ、そうだけど」


ユリは、リラが来たときに、先に進めていても支障がなさそうな仕事を考えた。先に進めてあれば、絶対に怒りそうである。


「ソウ、海苔カットしてもらえる? サイズは、ノートに書いてあるわ」

「了解」


ユリが用意をしていると、ソウが尋ねてきた。


「ユリのそれは、何作ってるの?」

「玉子焼きね」

「へえー。玉子焼きって、鉄板(てっぱん)で作るのか」


ユリは、卵焼き器で焼いていては(らち)が明かないと考え、天板(てんぱん)を使い、オーブンで焼くことにしたのだ。


「少量のときは玉子焼き器で焼くんだけとね。それだと今日は間に合わないのよ」


音楽が鳴り、ご飯が炊けたらしい。

覗き込んだソウが、驚いた。


「うわ!青いご飯って何に使うの?」

「すし酢を合わせるから、赤紫になるのよ」


バタフライピーを入れた真っ青なご飯に驚いたらしい。


「うわ、こっちは茶色い、あれ、こっちは白い」


白と青のご飯にすし酢を混ぜ、白い酢飯と紫色になった酢飯を、鞄にしまい込み、すぐに新しく炊飯を始めた。次は、紫ご飯用と、白ご飯と、梅肉とローゼルが入っている赤いご飯だ。


「この茶色いご飯はどうするの?」

「これは茶飯。炒めた挽き肉と混ぜてから、しまうわ」


茶色いご飯が出来上がった頃、リラが出勤してきた。


「おはようございまー、あー!もう始めてる!」

「リラちゃんおはよう。ご飯と玉子焼きしか作ってないわよ」

「よかったー。ホシミ様は、海苔カットですか?」

「おう」


リラはノートを覗き込んだ。


◇ーーーーー◇

海苔必要数300食分・外おやつ200食分


全形 150枚(総575枚) 21×19

半切 450枚(全225枚) 10.5×19

三切 300枚(全100枚) 7×19 薄い海苔

四切 400枚(全100枚) 5.25×19 薄い海苔


菊  四切 400枚 半切 50枚 全形 50枚

梅  三切 300枚 全形 50枚

バラ 全形 50枚

藤  半切 300枚

緑  米紙 50枚

外  半切 100枚

◇ーーーーー◇


「うわー、大変そうですね」


50枚入りの海苔12袋を、ソウはカットしたものから鞄にしまっていた。海苔が湿気らないようにするためだ。


「リラちゃんは、早く入るの? 少し見ているの?」

「もちろん入ります!」


まだ8時前である。本来9:30からだ。


「では、パプリカ、アボカド、キュウリ、ハム、ゼリーのカット、ツナマヨ用のマヨネーズ、マッシュポテト、好きなものから作ってください」

「はい!」


何か調理から始めるかと思ったら、野菜のカットから始めていた。他の人が出勤してきたときに、スムーズに開始できるよう、考えてくれたようである。


ユリは焼けた玉子焼き2種類を取りだし、必要な大きさにカットしていった。


「ユリ、海苔が切れたら次は何すれば良い?」

「ノートの次のページに必要なものが書いてあるから、リラちゃんが切っていない野菜を切ってもらえると助かるわ」


ソウはまだ海苔を切り終わらないうちから聞いていたので、ユリも正確に答えられなかった。


◇ーーーーー◇

ご飯

梅用の赤 4回

菊用の茶 1回

藤用の青 9回

白酢飯  5回(バラ、外おやつ)


菊  四切 8枚 半切 1枚 全形 1枚

  だし玉子焼き1cm8本 挽き肉入りの茶飯


梅  三切 6枚 全形 1枚

  甘口玉子焼き1.5cm ローゼル梅肉入りご飯


バラ 全形 1枚

  超薄切りハム、マッシュポテト、胡瓜2/3、白酢飯


藤  半切 1枚

  ツナマヨ、紫酢飯


緑  米紙 1枚

  リーフレタス、赤黄パプリカ、アボカド、ハム、ゼリー


外  半切 1枚

  ツナマヨ、白酢飯

◇ーーーーー◇

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