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アルストロメリアのお菓子屋さん (本文完結済) ~ お菓子を作って、お菓子作りを教えて、楽しい異世界生活 ~  作者: 葉山麻代
6章

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「少し早いけど、みんないるし、お昼にしましょう」


ユリは手早く作ったお吸い物と、生春巻をカットした端を集めた野菜に、玉子サラダを加えてサラダに作り直したものを出し、巻き寿司の詰め込みを終えた皆に声をかけた。

皆の分は、少し失敗したものを含め、皿盛りにしてある。


「量的にはしっかりあるんだけど、お寿司はご飯を詰め込んでいるので少なく感じます。食べ足りない人は、声をかけてください。何か出します」


ユリがデザートのイチゴババロアを持ってくると、ユリを待っていた皆は、一斉に食べ始めた。


「ユリ、これ同じにゃ?」

「ん?あー、この黄色い花の玉子の部分が、薄焼きだったのを、厚焼きに変えたわ」

「それ以外同じなのにゃ?」

「まあ、そうね」

「何で変えたのにゃ?」

「手間が多すぎて、実用的じゃなかったのよ」


ユメの質問が終わると、メリッサからだ。


「ユリ様、明日も手伝いたいです!」

「あら、ありがとう」

「これは、すべてお花なのですか?」

「端から、菊は洋風だし巻き玉子、挽き肉入り茶飯、海苔。

梅は梅味ご飯、厚焼き玉子、海苔。薔薇は超薄切りハム、マッシュポテト、胡瓜、海苔、白酢飯。緑はリーフレタス、ハム、赤と黄色のパプリカ、アボカド、ゼリー、生春巻の皮。藤は紫酢飯、ツナマヨ、海苔。よ」


ユリは指差しながら、中身を説明した。


「え?菊と梅のこの玉子焼き、違うのですか?」

「そうね。簡単に言うと、塩味系と、甘い系ね」


感心しているメリッサの次は、シィスルだった。


「ユリ様、マリーにお土産で買って帰っても良いですか?」

「あー、そうよね。買わなくて良いから、ひとつ持って行くと良いわ」

「ありがとうございます!」


シィスルがニコニコしていると、今度はイリスが申し訳なさそうに申し出た。


「あの、ユリ様、私も早く来たら、海苔巻きを教えていただけるのでしょうか?」

「どれが知りたいの?」

「どれでも良いです。私に出来そうなら」

「では、まず、藤から作りましょう。数が必要なので、いくら人手があっても足りないくらいです」

「はい!おねがいします!」


ユリが希望者を聞いたとき、イリスは遠慮していたらしい。

藤は、他の海苔巻きの6倍必要になる。


今度は、マーレイだ。


「あの、ハナノ様、私も早く来た方がよろしいでしょうか?」

「マーレイさんが来てくれると、とても助かるけど、無理せずに来てくださいね」

「はい。ありがとうございます」


マーレイが、少しホッとしたように見えた。


「なら、俺、明日は早くから手伝うよ」

「ソウは、お休みなの?」

「朝一の配達だけだな」

「ソウも無理しなくて良いからね」

「了解」


もくもくと食べていたキボウが、(から)の皿をユリに差し出した。


「キボー、たりなーい」

「キボウ君、食べたいものはある?」


少しキョロキョロしたキボウは、まだ食べ終わっていない人の皿を指し、答えた。


「これー、これー」

「梅と菊?」

「あたりー」

「私のをあげるわ」


ユリは、まだ食べていない自分の皿から、キボウが望んだものを取り分けた。


「ユリー、ありがとー!」

「どういたしまして」


「ユリ、俺も何か食べたい」

「鞄の中の物で良い?」

「何でも良いよ」


ユリはソウに、鞄から、カレーライスや牛丼や親子丼などを出し、選ばせようと思った。


「半盛りの無いの?」

「鶏丼が半盛りだけど、木、金と、鶏丼なのよ」

「ホットドッグは無いの?」

「有るわよ。パン類は、ロールイッチと、フレンチトーストがあるわ」

「なら、フレンチトーストで!」


ソウに、フレンチトーストを渡すと、シィスルから質問された。


「ユリ様、今(おっしゃ)った、ロールイッチとは何ですか?」

「巻いたサンドイッチよ。はいこれ、どうぞ」


ひとつ取り出し渡すと、受け取ったシィスルは、ニコニコして食べ始めた。


「うわー!面白い、美味しい!」


結局、全員にロールイッチを渡し、お昼ご飯を終えたのだった。

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