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アルストロメリアのお菓子屋さん (本文完結済) ~ お菓子を作って、お菓子作りを教えて、楽しい異世界生活 ~  作者: 葉山麻代
6章

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木柵

大変申し訳ございません。

前話の内容で、上級メイドの女性の名前「ミラベル」を書き足しました。

ほんの少し文章が変わっております。


読み直さずとも、話の流れに変わりはございませんが、気になられる方は、お読み返しをお願い致します。

白衣モドキの衣装は、アルストロメリア会で揃えたらしい。いくら割烹着を上に着るからといっても、スカート部分に汚れがつくのだ。特にお菓子作りは、粉が舞うことが多いので、割烹着とスカートとの境目の汚れが目立ってしまい、意味をなさない人がいるらしく、専用の服を作ることで、それを回避したらしい。


せっかく作ってくれたらしいので、ユリも着ることにした。新しい割烹着も渡された。

顔見せに来たメイドたちは、持ち場に戻ると言って退室していった。

ユリは手伝いを断り、天蓋のベッドの有る方へ行って着替えてきた。


「私の分も作ってにゃ」

「かしこまりました。サイズを計らせていただいてもよろしいでしょうか?」

「構わないにゃ」


ユメも作ってもらうらしい。変身して着替えないのかと、そっとユリが聞くと、外出着と違って、機能性の服なので、実際に作った方が良いのだと説明された。

成る程とユリは納得した。


「あ、そうだわ。ソウの方に一緒にいる、キボウ君が欲しがったら、やはり作ってもらえるかしら?」

「お作りいたします。キボウ様に確認いたしますか?」

「そうね。実際に欲しいと言ってからで良いわ」


着替えが終わったので、ミラベルが連れていってくれるらしい。不案内なユリにはとてもありがたい。


「ユリ・ハナノ様、お荷物などはございませんでしょうか?」

「荷物は大丈夫よ。あと、名前、ユリで良いわ」

「かしこまりました。ユリ様」


緊張していたらしい顔に、ミラベルはやっと笑顔を浮かべた。

ユリから名前呼びの許可をもらうことが、重要だったらしい。


久しぶりの専用厨房につくと、なんだか違和感があった。

あら?ここ、こんなに広かったかしら?


「以前より広くなりました」

「あ、やっぱり広いわよね」


部屋が1.5倍、いや、2倍くらい広くなっていたのだ。


「ユリ様、お待ちしておりました」


ラベンダーとリラが待っていた。

ユリと同じ白い服を着ており、なんとリラも割烹着を新調してもらったらしい。


「あら、新しい割烹着?」

「以前の割烹着も持っては来たんですが、短すぎて笑われました」


リラは5年半前に比べて、身長が25cm位伸びたので、子供用から大人用にサイズを変更して作ってくれたそうだ。


アルストロメリア会専用厨房には、すでにカンパニュラやサンダーソニアも来ていて、二人の侍女やシッスルも皆同じ服、白衣モドキと割烹着を着ていた。


以前の部屋のサイズより大きくなったと思われる場所の境に、木製と思われる1m位の高さの柵が置いてあり、その後ろに、王妃ハイドランジアや、ローズマリーもいた。その横にいるのは、スノードロップだと思われる。その全員が、ドレスの上に、割烹着を着ていた。

柵は、向こう側が見通せる程度に粗い、藤籠や竹ざるのような編み込みだ。


授業参観かしら?


こちら側にいるメンバーは、ラベンダー、リラ、マーガレット、ローズ、ピアニーがいる。


「ローズさん、ピアニーさん、お久しぶり!」


ユリは半年ぶりを懐かしく思い、軽く挨拶した。


「ユリ様、再び(まみ)えることができ、恐悦至極に存じます」

「ユリ様、ご息災をお喜び申し上げます」


以前だって敬われてはいたが、完全に別世界の人のような挨拶を受け、ユリはうろたえた。


「あ、ありがとう。できれば、以前と同じくらいでお付き合いください」

「かしこまりました」「かしこまりました」


ローズとピアニーがニコッと笑い、ユリが落ち着いた。

その後、カンパニュラについてきた侍女も丁寧な挨拶をしてくれた。


「身分の違いはあると思いますが、わからない事はわからないままにせず、わかる方にしっかり教わってください。そして、わからない方に親切にすることは大事です。ここで割烹着を着ているときは、全員が一生徒として、同じく習う立場とし、遠慮せず質問をしてください。教わりに来たのに、わからないままにすることが、一番無意味な行為です」


少し遅れてユメが来た。なんと、同じような白衣と割烹着を着ている。


「もう作ってもらったの!?」

「仕上げだけになっていたらしいにゃ」

「仕上げ?」

「名前を入れてもらったにゃ」


どうやら、どの名前をいれたら良いかわからず、刺繍だけ残し出来上がってはいたらしい。サイズを計って、以前と変わらないことを確認されたそうだ。


皆が後ろの柵側を振り返り、少しざわついた。

ユリもそちらを見ると、パープル侯爵とソウが、入ってきたのだ。なんと白衣を羽織っている。二人の白衣は医者が着る白衣のようなタイプで、パープル侯爵は、白衣に着られている感があるが、ソウは変に似合っていた。


あー、あれは、マッドサイエンティスト的な?

ユリは少し笑ったあと気がついた。

あれ?キボウ君はどこに行ったのかしら?


どうやら、柵が高すぎて、キボウは柵の後ろに隠れてしまっているらしい。ソウが柵をずらし、キボウは中からでてきた。

キボウは、ソウが着ている白衣と同じものを羽織っていた。


「キボー、てつだうー!」

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