表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アルストロメリアのお菓子屋さん (本文完結済) ~ お菓子を作って、お菓子作りを教えて、楽しい異世界生活 ~  作者: 葉山麻代
6章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

478/690

白衣

ミラベルに関する記述を少し書き足しました。

「ユメちゃんは自分で来られる?」

「大丈夫にゃ」

「キボウ君は自分で来られる?」

「だいじょぶ、だいじょぶ」

「ソウも自分で来るわね」

「あ、うん」


同じように聞いてくれると思ったらしい。

そもそも部屋が違うので、ユリにソウを連れていくという選択肢は無かったのだが。


「リラちゃん、つかまって」

「はい!」


ユリは一足先に、パープル邸に有る自分の部屋に転移した。


「うわ、ここ何処ですか?」

「パープル邸の、私の部屋よ」

「お貴族様の私室、初めて入りました」

「私も滅多に来ないけどね。うふふ」


リラがかなり驚いていた。

ハンドベルを鳴らすと、すぐに複数人のメイドが来た。


「ようこそいらっしゃいませ、ユリ・ハナノ様」

「又、よろしくお願いするわね」


この挨拶をした女性は、ミラベルという名前らしい。


「リラ様は、どうぞこちらへ」


リラは唖然とした顔をしたあと、慌てていた。


(さま)じゃなくて、私は『リラ』でお願いします!」

「では、リラさん。こちらへどうぞ」


一人のメイドが、リラを連れていった。

そのあと、すぐにユメが来た。


「リラはいないのにゃ?」

「メイドさんに連れていかれたわ」


「ようこそいらっしゃいませ、ユメ様」

「私もこちらで良かったかにゃ?」

「はい。よろしければ、別のお部屋をご案内いたしますが、いかがいたしますか?」

「私は、部屋は要らないにゃ」

「かしこまりました」


ユメは部屋を断っていた。

違うメイドが来て、茶器を2組持ってきた。又違うメイドが来てお茶を入れ、全員が下がっていった。


「せっかくだからお茶をいただきましょう」

「そうだにゃ」


お茶を飲みながら、少し落ち着いた。


「見知った人が居なかった気がするわ」

「そういえば、そうだにゃ」


コンコンコン。

ドアノックが聞こえた。


「ユリ様、サリーでございます」

「はーい」


なんで入ってこないんだろう?とユリは思っていた。

そんなユリに気がついたユメに、指摘されるのだった。


「ユリ、入室許可を出すのにゃ」

「あ、そ、そうね。入ってくだ、じゃなくて、入りなさい」

「失礼致します」


ドアを開けてサリーが入室し、顔見知りのメイドたちが廊下に並んでいた。


「サリーさん、お久しぶり!」

「ユリ様、又、アルストロメリア(かい)でお()いできて、大変嬉しく思います」

「廊下の皆さんも、良かったら部屋に入って顔を見せてちょうだい」


たまに来ることはあっても、話す機会はほとんどなかったので、本当に久しぶりなのだ。ユリの店の店員募集の件もあり、おそらくその時応募したのは、今ここに来たメイドなのだろうと思われる。

ずらずらと入ってきて、泣きそうになっているメイドまでいた。


少し懐かしい話をしたり、ユリの差し入れのイチゴが美味しかったと言われたり、少しの間楽しく会話した。


「最初に来た人は、新しい人なのかしら?」

「上級メイドです。こちらのお部屋つきのメイドでございます」

「何か違うの?」

「簡単に説明いたしますと、平民出身か、貴族の子女かで、仕事内容が変わります。こちらのお部屋つきは、伯爵令嬢や子爵令嬢が、侍女のようにお世話いたします」

「分かりやすい説明をありがとう。彼女たちは貴族の令嬢なのね」

「今、この中にも貴族令嬢のメイドも()りますが、やはり、5年半前に()たかどうかは大きいようでございます」


「私、貴族のマナーがなっていないから、がっかりしちゃったかもしれないわね」

「何か、ご不快な点がございましたか?」

「そんなことはないわよ」


「ユリ、向こうも緊張してたと思うにゃ」

「そうなの?」

「はい。ユリ様がとてもお優しいと存じ上げております私どもが、いくら説明いたしましても、やはり最初は緊張するのだと思われます」

「それなら、仲良くしてもらえるかしら」

「あ、あの、これは、内緒でございますが、ユリ様のお部屋つきは、争奪戦でございました。奥様は実力主義でして、最重要なのは身分よりも実力や結果でこざいますので、お屋敷の希望者で競いました」

「そうなの!?」


ユリの見知ったメンバーは、礼儀作法でミラベルに負けてしまったらしい。


コンコンコン。


「ユリ・ハナノ様、白衣をお持ちいたしました」


部屋の外から、呼び掛けられた。


「白衣?」

「ユリ様のお店のお衣装を参考に、新調致しました」

「そうなのね」

「ユリ、入室許可を出すのにゃ」

「あー、ごめんなさい。入ってちょうだい」


先ほどお迎えをしてくれた上級メイドのミラベルが、衣装を持ったメイドを連れてやって来た。

胸元のフリルがたくさんのブラウスと、プリーツスカートに見える何かだ。確かに生地は染めていないようで白いが、これを白衣と言われてもユリはいまいちピンとこない。


とりあえず受け取り見せてもらうと、スカートではなく、キュロット?ガウチョ? 足が別れているのだ。ユリは少し考えて、思いだした。

あ、これ、袴だわ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ