表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アルストロメリアのお菓子屋さん (本文完結済) ~ お菓子を作って、お菓子作りを教えて、楽しい異世界生活 ~  作者: 葉山麻代
1章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

38/689

川魚

家に戻ってから冬箱の話をした。


「あの箱があるなら、冷たいもの出して良い?」

「大量は止めておいてもらえるかな?」

「あの箱は高価なのかしら?」

「安くはないだろうな。侯爵邸で使うのにあの大きさだっただろ?パープル侯爵は、わりと金持ちなんだよ。それであのサイズならな」

「なるほど。お金持ちでも小さいサイズなのね」

「ま、調べておくからちょっと待ってな」

「うん、おねがいします」


「そういえば、ゼラチンはどうする?」


「こちらで作った方が良いなら、牛や豚の骨や皮を良く洗って、下茹でした後また洗って、きれいな水で長時間煮込んで、上澄みの油と沈殿物を捨てて、何度も濾して、板にして乾燥させたら出来上がるはず」


「お、おう」


「やったことがある訳じゃないから成功するかわかんないけど、臭いがきついから貴族邸では作れないと思うわ。あと、臭み取りのやり方がわからないのと、あ、骨は科学処理が必要だったかもしれない。皮だけが良いかもね」


「何でそんなこと知ってるの?」

「作ってみようと思ったことがあるからよ。やらなかったけどね」

「なんで?」

「臭いらしいって読んだからよ」

「なるほど」



「今度の休みはこちらに来るんだよね?」

「そのはずよ」

「何作るの?」

「どうしましょう。ソウ、何が良いかしら?」


「今まで出して評判が良かった料理にすれば?」

「ご飯ものより、パンの方が出る、かな?」

「えーユリの料理(・・)じゃないじゃん!」

「ハンバーグと、グラタンと、プリンかしら?」

「それなら良いと思うよ」



「そういえば、一度聞こうと思ってたんだけど、海の魚は手に入らないの?」

「ここは、海がないからね」

「陸の真ん中なのね」

「そういう意味じゃなく、海には行けないんだよ」

「???」

「ここは結界で囲まれているから海には出られないんだ」

「そうなの?」

「俺以外はね」


お魚が食べられないなんて、予想外だったわ!とユリは考え込んでいた。


「川魚はあるよ。あまり、いや誰も食べないけど」

「鮭は?イクラは?お魚は遡上しないの?」

「俺が結界を張った訳じゃないから詳しいことはわかんないけど、調べておくよ」


「遡上するにゃ」

「え?」

「お魚のぼってくるにゃ」

「ユメちゃん、鮭知ってる?」

「知ってるにゃ」

「どこに行けば居るの?」

「ソウと会った場所の近くにゃ」

「ああ、そういえば大きな川があったな」

「今はまだ居ないにゃ。秋まで待つにゃ」

「うん、ユメちゃんありがとう!」


ユリは輝くような笑顔でユメにお礼を言った。

クロネコのユメ

第3部分 夢の菓子

掲載日:2021年 07月06日 13時00分

よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ