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アルストロメリアのお菓子屋さん (本文完結済) ~ お菓子を作って、お菓子作りを教えて、楽しい異世界生活 ~  作者: 葉山麻代
6章

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御祝

昼ご飯の用意が終わり、まだかなり早いが昼ご飯を食べることにした。ソウとマーレイが来たので全員集合したからだ。


「ユリ、あと残ってる仕事は?」

「休み明けの分の生チョコかな」

「それだけなの?」

「あとは、クッキーの開発的なものくらいね」

「クッキーの開発って、何するの?」

「リラちゃんたちは、新しいレシピを考えているみたいだけど、イリスさんとユメちゃんは、新しいデザインを考えているわね」


「凄いのを作る予定にゃ!」

「へえ、俺も何か考えてみようかな」

「あら、良いわね。期待してます」


ユリに期待していると言われたソウは、当然作業部屋のお菓子の本を見に行ったのだった。

何か良いデザインでも考えたらユリが喜ぶかなと思ったのだ。

昼食後、営業開始までかなりあるので、各自が自己責任で休み時間を確保すると約束させ、自由時間とした。

少しすると、花の図鑑を見に来たシィスルとマリーゴールドが、本日の予定の紙を見て、知らない単語を聞いてきた。


「ユリ様、予定に書いてあるラング・ド・シャ、フロランタン、チュイール、ビスコッティ、スノーボールとはなんですか?」

「教えたことがないクッキーの種類よ。時間があったら教えるから、見に来るか、リラちゃんに聞くと良いわ」

「お邪魔でなければ、見学したいので教えて下さい」

「良いわよ。午後の手が空いた時にね」

「ありがとうございます!」「ありがとう存じます」

「二人とも、好きな飲み物を自分で作ってね。私は少し休んできます」


ユリは珍しく、しっかり休もうかと階段を上がりかけたとき、訪問者があった。店で図鑑を広げていたシィスルが、取り次いでくれたようだ。


「ユリ様、お客様がお見えです」


誰だろうと思いながら店に行くと、ハヤシ(ヤキニクや)コバヤシ(ラーメンや)だった。


「ハナノさん、ご結婚されるそうで、これ、転移組からのお祝いです」

「え?」


バサッと、大きな包みをほどいて現れたのは、ガラスドームのケースに入ったプリザーブドフラワーだった。

青い薔薇や白い百合を組んだ豪華なキャスケードブーケだ。


「どうしたんですか、これ?」

「私が組みました」


ハヤシが作ったらしい。ユリも作り方は知っているが、作ったことはない。尊敬の眼差してハヤシを見上げた。


「え、凄い!」

「材料として、ホシミさんに運んでもらいましたよ」

「そうなんですか?」


そこへ、慌てた様子のソウが来た。


「ユリ?」

「ソウ!皆さんがお祝いをくださったのよ!」

「え、お祝い・・・」


「ホシミさん、ハナノさん、ご結婚おめでとうございます。一足早いですが、お祝いをお持ちしました」


「あ、そのブーケ、お祝いなんだ。ありがとう、なのかな?」

「素敵なお祝いどうもありがとうございます!」


ユリは嬉しそうに、ガラスドームの周りを回るように花を見ていた。

ユリが喜んでいるので、ソウは何やら落ち着いたらしい。


開店前で忙しいでしょうからと言って、ハヤシとコバヤシは早々に引き上げていった。

店の方を振り替えると、ユメ、リラ、シィスル、マリーゴールドが、少し心配そうに扉の影から覗いているのが見えた。


「ユリ、俺が運んでおくよ」

「ソウ、ありがとう。どこに飾ろうかしら。うふふ」


上機嫌に歩くユリの後ろから、少し疲れた様子でガラスドームを持つソウに、ユメとマリーゴールドが、何か謝っていた。

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