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アルストロメリアのお菓子屋さん  ~ お菓子を作って、お菓子作りを教えて、楽しい異世界生活 ~  作者: 葉山麻代
1章

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番外

番外編 転移前のユリの事情

一年ほど前のこと。


両親の残した店は、ユリが引き継いでから じわじわと客が増えていった。


駅そばの一角で、場所もわりと良かった。


そこに目を着けた悪徳業者に、詐欺同然に騙し取られたのだった。



「外に並ぶお客さんに対応しきれていないのでもう少し大きな店にしませんか?」

「これ以上大きなお店にしても回せないのですみませんが」


何度も何度も断って、手を替え品を替え、勧誘がいい加減しつこいので仕方なく薦められた場所に移転したら、そこは半年後に区画整理がある場所だった。


そんなことは書類に書いてなかったと抗議したが、聞き入れられず、結局お店をできなくなった。


どこにも店を出せないので店の備品は仕方なくレンタル倉庫に保管した。


もと店があった場所には、似たような店ができていた。


悪徳業者は、この場所が売れる理由と考え詐欺同然に店を奪ったのだった。


ユリがいないその店は、次第に客足が遠退き、町からユリがいなくなって1ヶ月後には駅前の地域ごと寂れていた。


この頃ユリは転移計画で旅立ってしまう。


こうなって、ようやくユリごと取り込むべきだったと、悪徳業者や商店街のメンバーは気がついたが、どこを探してもユリはいなかった。


助けてくれなかった商店街の誰にも言わずにユリは旅立ったからだ。

もっとも行き先を知った所で、どうにもならないのだが。


この街で既に微少ながらユリの癒しの能力は発揮されていたのであった。


◇◇◇◇◇


「そういえば、ユリの店があった場所に新しい店が出来てただろ?あれ、早々につぶれたぞ?」

「ふぅーん」

「なんだ興味無さそうだな?」

「ないよ。だってもう関係ないもの」

「あの辺り、更地にして公園にするらしいよ」

「へぇー」


「商店街ごとゴーストタウンみたいになってたからな」

「え?そうなの?こっちに来て3ヶ月位だから、私があそこの店閉めたのって4ヶ月くらいしかたってないわよね?あんなに賑わっていたのに」


「すぐ別の店ができて、3ヶ月位だな」

「そんな4ヶ月位で商店街ごとダメになるのかしら?」

「ま、実際ダメになったんだから」

「そうなのね」



この件に関しては、ソウは関わっていないのである。

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