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アルストロメリアのお菓子屋さん (本文完結済) ~ お菓子を作って、お菓子作りを教えて、楽しい異世界生活 ~  作者: 葉山麻代
6章

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絵皿

若干予想はしていたけど、イヤまさか、来ないわよねぇ? と考えていた。


何?って、リラのことだ。


ユリは、6時前からクッキー生地の仕込みを始め、朝ご飯を食べに2階に戻り、8時少し前に厨房へ来ると、みんな揃っていた。


「おはようございます。明けましておめでとうございます。早速お手伝いに参りました!」

「シィスルちゃん、おめでとう。どうもありがとう」


「おはようございます。明けましておめでとうございます。ご挨拶に参りました」

「マリーゴールドちゃん、おめでとう。ご丁寧にありがとう」


「おはようございます!」

「リラちゃん、おはよう。あなたのお店はどうなっているの?」

「実は、昨日のうちに、今日の仕込み終わらせました!」

「はあ?」


「うわー、勢揃い!」


見に来たソウが大笑いしていた。

ソウにパウンドケーキ等を渡し、出かけるソウを見送ると、厨房では しれっと、リラが指示を出していた。


「マリーゴールド、あなたは10時30分まで休憩か見学ね」

「はい。 ユリ様、見学していてもよろしいでしょうか?」

「構わないわよ」


「ユリ様、何から始めますか?」

「シィスルちゃんは、ちょっと待って。リラちゃん! あなたも見学よ?」

「はーい」


「シィスルちゃん、今日は、仕込みだけの予定だけど、間違って来店する人がいたら対応したいと思っています。大丈夫ですか?」

「実家は商家なので、接客は得意です」

「対応するものは、喫茶の、ジンジャエール、アイスココア、紅茶、クレーンシュー、持ち帰りが、女神の慈愛パウンドケーキ、時送り世界樹様のクッキー、クレーンシューのみです。分からないことは遠慮せず聞いてください」

「クレー、なんですか?」

「クレーンシュー。鶴のシューよ。丹頂鶴という鶴を模して作りました。お店にリラちゃんが描いた絵があるから見ると良いわ」


シィスルとマリーゴールドが店を見に行ってリラの絵を誉めていた。

ユリはその間にささっと2つ仕上げた。


「さすがリラさん!絵が今にも動きそうですわ!」

「さすがユリ様のお店、(お正月の紙)すごい数ですね」

「本当ですわ!」

「あれ? これなんだろう? マリーゴールドさん、知ってますか?」

「なんでしょう?」


店から厨房に戻ってきた二人は、まずリラに聞いていた。


「リラさん、お店に、二段重ねの白いものがありました。去年はなかったように思いますが、あれはなんですか?」

「かがみ餅? うちにも飾ってあるじゃない」

「え?」「そんなのありました?」

「あれ? そう言えば、今朝見なかったかも?」

「飾りなんですか?」

「お餅で作る、お正月の飾りだそうです。11日に、ハンマーで叩き割ってから、調理するって、ユリ様から聞いてますよ」

「ハンマーで、調理ですか?」


意味がわからなかったらしく、聞いた二人は怪訝な顔をしていた。


「うふふふふふふ。調理自体は、細かくしたら油で揚げてアラレにする予定です。鏡餅は、1月11日に割って食べる物なのよ」

「明日割るのですね」

「その予定よ。はい、これがクレーンシュー。食べて良いわよ」


ユリが2つしか出さなかったので、気にしたらしい。


「あれ?リラさんは?」

「私は、あの絵を描いたときにいただきました!」


それならばと安心したらしく、二人はクレーンシューを美味しそうに食べていた。


「細かい所が良く似てますのね」

「この赤いところ、イチゴの味がします!」

「本当ですわ!」


「リラちゃん、あなたの分を含めて、なにか飲み物を3つお願いするわ」

「はーい」


リラは弟子二人に飲みたいものを聞いて作っていた。


「今日の予定はこの紙ね」


◇ーーーーー◇

黒糖フルーツパウンドケーキ 20×20

世界樹様のクッキー 300 型抜き焼成

黒猫クッキー 100 型抜き焼成

リラの華 ???

ジンジャエールの素 ×3

かぼちゃ蒸し、裏ごし10kg

レモンシロップ

バタフライピーシロップ

イチゴシロップ

イチゴジャム

ブルーベリージャム

キウイジャム

切り餅カット

食パン仕込み×7

━━━明日の予定━━━━━━━━━━━━━

玉ねぎ薄切り、炒め、オニオンスープ

ニンジン、玉ねぎ、一口大、シチュー

黒糖フルーツパウンドケーキ 20×10

世界樹様のクッキー 300

黒猫クッキー 100

猫食パン焼成

◇ーーーーー◇


マーレイとイリスが来た。

店の営業があるはずなのに、ここに居るリラたちを見て驚いていた。


レギュムが配達分を取りに来て、ユリは予定の120本を渡した。


「にゃ!みんな居るにゃ!」

「みんないたー! みんないたー!」

「ただいま。勢揃いだな」

「ユメちゃん、キボウ君、ソウ、お帰りなさい」


「皿とカップ受け取ってきたぞ」


わらわらとみんな集まってきてソウの持ってきた皿とカップを見に来た。


ユリは、リラが描いていた皿が何だったのか、初めて知った。


「リラちゃん、凄いわね。筆で描いたのよね」

「ホシミ様にお皿を出していただきましたが、こちらをプレゼントいたします」

「え? 貰って良いの? ありがとう!」

「リラ、ありがとにゃ!」

「リラー、ありがとー」

「リラ、ありがとな!」


「シィスル、マリーゴールド、こちらはあなたたちに」

「え? 私たちの分もあるんですか?」

「うわー!あざみ(シィスル)の絵だ!」

「マリーゴールドの花ですわ!」


少し羨ましそうに見ているイリスに、ソウが声をかけた。


「イリス、良かったら、皿かカップの絵を描かないか? イリスとマーレイとレギュムとクララとグランの分を、イリスが描いてはどうだ? 個人個人で作りたいなら、それでも良いぞ?」


「私の分をいただけるのでしたら、イリスに描いてもらいたいです」


マーレイが申し出た。


「ワシも、(イリス)に描いてもらいたい。クララの分も頼む」


レギュムも同意した。


「ホシミ様、ありがとうございます。グランの分を含む、5つ、絵を描かせてください」

「ユリ、イリスが抜けて大丈夫か?」

「抜けるのは良いけど、誰が送るの?」

「あー」

「私が送るから、誰かついていって、迎えが必要になったらお知らせしてくれれば、又迎えに行くわよ?」

「なら、私が行くにゃ!」


ユリはコックコートの上に、外行き用のコートをはおり、ユメとイリスをつれて転移した。


「お待ちしておりました」


工房の人が、待ち構えていた。


「あら、話が通っているのね」

「さっき相談したにゃ。お店で使うなら、マーレイとイリスの分も必要って言ったにゃ!」

「ユメ様、ありがとうございます」

「なら、私は帰るわ。ユメちゃん、イリスさんをよろしくね」

「わかったにゃー」


ユリはすぐに戻ってきた。


ユリが移動していた間に、大分計量したらしく、パウンドケーキがすぐ仕込める状態になっていた。

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