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アルストロメリアのお菓子屋さん (本文完結済) ~ お菓子を作って、お菓子作りを教えて、楽しい異世界生活 ~  作者: 葉山麻代
6章

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出迎

正午に集合なので、ユリとソウは早めに転移し、画材店に来ていた。

スケッチブック、色鉛筆、水性色鉛筆、自然に優しい絵の具、パレット、絵筆、筆洗(ひっせん)、クレヨン、水性マジックセット、油性マジックセット、折り紙、(のり)、折り紙の本、ハサミ等を購入し、魔道具の鞄に入れ、ソウの家で着替えてから、転移ポイントに登場した。


すでにトラックや観光バスのような乗り物から荷物も下ろされ、転移ポイントの舞台のそばに並べてあった。

ユリが姿を見せると、持てるものは手で持って舞台に上げ、台車や、荷車も急いで上げていた。


「重たいものはこちらで乗せましょう」


ユリとソウで手分けして、人の手で楽には上がらない荷物は転移を使って舞台に上げた。

これ、向こうについてから、どうやって運ぶつもりなのかしら?


ユリはソウの元上司に、対価としてパウンドケーキを支払い、3~6か月を目処に、又買い物につれてきたいと話した。


「その度に、パウンドケーキをいただけるのなら、いつでもお引き受けいたします!」


即答での了解だった。

少し考えたユリは、怖いもの見たさで聞いてみた。


「このパウンドケーキって、いくらで取引されているのですか?」

「5~20万円です」

「あ、そんなに(利益を)乗せていないんですね」

「一切れが」

「え?」


女神の慈愛パウンドケーキは、12カット分の1本が、60~240万円らしい。

カエンが、1本10万円で引き取っているとは知っていたが、販売の最低価格が、60万円とは知らなかった。


「ソ、ソウデスカ・・・」


そりゃ、毎度20本渡せば、1200~4800万円だ。即答で了承されるはずである。


「荷物は全て検疫済みです」

「ありがとうございます」

「星見君から聞いている内容でチェックしてあります」

「外されたものがあるのですか?」

「電子機器と、充電池等です」


一時帰宅は料理人が4人、医療従事者が2人で、ユリが真っ先に思い当たったのが(はかり)だった。


「それって、電子秤(でんしばかり)ですか?」

「それもありましたが、違うものもあります」

「電子秤は調理用なら容認します。薬剤用は、ソウと相談してください」

「了解です」


外したと言う物も全て預かった。名前付きのシリコン製の袋に分けて入れてあった。


ソウが、メンバーと会話し、入れ替わりなどがないことも確認した。


「ソウの元上司さん、お名前を存じ上げないので呼んで良いお名前を教えてください」

「ははは。星見君は律儀に守っているんだな。私は、ソウビです」

「では、ソウビさん。フルネームのどこかに、植物名を含みますか?」

「・・・含みますよ」

「もしよろしければ、私達の結婚式に参列しませんか?」

「え? ご招待いただけるという事ですか?」

「はい。カエンちゃんたちとご一緒にいかがですか?」

「ありがとうございます。調整が必要なので、即答できなく申し訳ないが、前向きに検討いたします」

「返事はソウに、お願いしますね。それでは、転移を始めます」


ユリは辺りを見回し、転移すべきメンバー全員が舞台に乗っていることをソウと確認した。

ユリが舞台に上がり、声をかけた。


「飛びますよ!」


注意を促し、呪文を早口で唱えた。


「イタアシアヘク・イルバヰアッケキ・オデイナクヌュス」


ふわっと、澄んだ空気に包まれた。辺りを見渡すと、迎えの馬車や荷馬車が多数待機していた。

元案内人のカナデ・サエキが、こちら側をまとめていてくれていた。

サエキが言うには、(から)で行って荷を積んで帰る予定の馬車に、行きだけ乗って帰りは乗らないと言ったら、喜んで半額で乗せてくれたそうだ。


ユリの予想通り、乗りきらない荷があった。

これ以上は、馬が引けませんと断られ、途方にくれているので、ユリが引き受けた。重さよりも、バランスの問題らしい。


ここから一時間弱の移動で又積み直しなので、分けて良いものと不味いものが難しいらしい。


「預かった荷は、城に置いてきます。料金的なものは、ソウと相談してください」


全ての荷が積み終わり、人も馬車に乗ったので、ユリとソウは、サエキをつれ一旦家の前に転移し、ユリだけ城まで転移した。


城についたユリは、預かった荷物を転移の間の係りに渡し、すぐに帰ってきた。


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